51aoNan4J1L__SL160_オーティス・レディング死後25周年の1992年、完全未発表22曲をドカンと収録してリリースされたアルバム。これは貴重!というか、最近純正ソウルってBobby Womack くらいしか取り上げてなかったし、何か曲数少なくて済むし(爆)、ソウルのアルバムを取り上げたいなぁと思って、自分の周りを探したらもっとも近いところにあったのがコレ…おいおい22曲もあるよー、とか思いつつも、聴きます。それにしても、オーティスのアルバム全部持ってるのに、これまでホント取り上げてこなかったんだなぁと、、、。

1. Trick Or Treat
1966年夏頃の録音、Isacc Hayes, David Porter 作。ソウルフルなんだけど、どこか疲れてるように聴こえるんだけど…だからこそ未発表曲?にしても、本コンピ1曲目だしなぁ
2. Loving By The Pound (Take 1)
同じく66年夏録音、オーティス自作、これもなんか、オーティスぽくないなぁと。あれ、自分の知ってるオーティス像がどうなっちゃってる?なんか苦しそうなんだよな、こんなもんだっけ?
3. There Goes My Baby (Stereo)
64年末〜65年夏くらいの録音。The Drifters カヴァー、自然とソウル、これは痺れる。でも、本領発揮とはイカナイ、ちょっとヤサグレテルというか
4. Remember Me
65年前半録音、タイトル曲にもなっている通り、これはバッチリ!芯まで泣きのソウル。苦さもあるし、言霊を感じるんだよなぁ


5. Send Me Some Lovin' (Stereo)
65年初期録音、Little Richards カヴァー、音も軽やかだけど、ブルージーにソウルフルに。ホーンの緩さあれど、シマリある歌いっぷり
6. She's All Right
Stax 入り前の曲の再演とのこと。63年秋頃の録音、コーラスとのバランスが実に渋い!オーティスは決して気どることなくソウルを発散
7. Cupid
64年末〜65年夏くらいの録音。Sam Cooke カヴァー、丁寧に歌われるし、演奏も丁寧な上に細かい技巧
8. The Boston Monkey (Stereo)
64年末〜65年夏くらいの録音。リズムダンス、とにかくアッパーに決めてくるご機嫌曲。イントロ部はやり直しテイクが入ってたりして悶絶、その後歌われるオーティスの怪力は聴きもの
9. Don't Be Afraid Of Love
63年秋頃の録音、コーラスはThe Drapels、やるせないけどオーティスの非情を乗せてくれるようで、絶妙なコンビネーションかも。


10. Little Ol' Me
訴えるようなバラード、なんかしみじみしてしまう。派手さはないし、歌も感情の表現に徹し、演奏との風景・歌唱シーンが見えてくるよう
11. Pounds And Hundreds (Lbs + 100s)
オルガンがちょっと空虚にカラカラなんだけど、それ以上にアッパーに歌われるオーティスの健在ぶりが眩しい
12. You Got Good Lovin
64年末〜65年夏くらいの録音。オーティス単独作で、ヴォーカルに力が漲ってる。こういう発掘は素晴らしい!
13. Gone Again
他界1週間前、67年12月録音という貴重さ・・・。音もクリアになってるけど、それ以上に既にいぶし銀な味を身にまとうようなヴォーカル術は酔いどれ


14. I'm Coming Home
65年前半録音、これは凄い!オーティスの魅力全開のバラード、感情の節々が見事、広がりのあるディープバラード
15. (Sittin' On) The Dock Of The Bay (Take 1) (Stereo)
オーティス死後大ヒットした名曲だけど、テイク1のイントロはカモメのような鳴き声を披露しながらスタート、実にリラックスした雰囲気の中で録音がスタートしていることが分かる。でも、歌が始まると既にオリジナルに近い出来栄えの完成度、泣けてくる
16. (Sittin' On) The Dock Of The Bay (Take 2) (Stereo)
でも、おどけてスタッフ共々笑い声なんかも入りながら、アコースティックに今度は変えたように、ポップ度ちょっと上がって、こんなに直ぐ解釈変えられるとは
17. Respect (Alternate)
オーティスのリリース後、Aretha Franklin カヴァーヒットも間近の67年再録ヴァージョンが存在していたとは。アッパーになってアレサのリズムに近づいている気も、迫力よりも無理やり気負っている印象
18. Open The Door (Alternate)
死後リリース作からの別テイク、個人的にはソウルフルに歌われていて、これだけで十分説得を持つ仕上がりだなぁと
19. I've Got Dreams To Remember (II)
スタッフとのやりとりをイントロに、しっとりしたバラード。とにかく節々が美しい、これぞ唄を届けるシンガーの持ち味、痺れる!
20. Come To Me (Alternate)
64年録音?当時の別テイク、優しい前半に、荒削りな後半と、完成度はどっちつかず扱い?パワーの突出は、凄いです、カッケー!!
21. Try A Little Tenderness (Take 1) (Stereo)
66年夏録音、大ヒットのファーストテイク。声がまだまだ届いてないなぁと思うけど、4分に亘り本コンピのハイライトの一つ、ひたむきで、カッケーー!!演奏陣に気合振り撒くなぁ
22. Stay In School
ラストは、過去に唯一CD・LP化されてた曲らしいけど、アコースティックタイプで他の曲と印象が若干異なるリズム、歌われ。独特という感想がフィットするかな

22曲・60分近く。これだけの未発表をバランスよく配置した素敵なアルバムだなぁと。でもタイミング的に、もっと早い時期、それこそ70年代中とかにリリースされたりしてれば、もっと評価を得たんじゃないかな。ソウルが一般的な立ち位置になる前に短命での活躍を遂げた人だから、25年の歳月は大きかったかも。それでもソウル好きには損させない粒がたくさん発見出来るはず!

<過去レビュー>
2001年 Best of Aretha & Otis
2012年 Respect (B side Aretha Franklin)

Remember Me
Otis Redding
Stax
2006-02-09

Remember Me
Otis Redding
Import
2000-01-01

リメンバー・ミー(紙ジャケット仕様)
オーティス・レディング
ユニバーサル ミュージック クラシック
2009-03-18

Remember Me
Otis Redding
Stax
2001-05-22

Remember Me
Otis Redding
Unknown Label
1999-10-26