31JYX97P46L__SL160_Earth,_Wind_&_Fire_-_In_the_Name_of_LoveEarth,_Wind_&_Fire_-_In_the_Name_of_Love2アース・ウィンド・アンド・ファイヤー、約3年振りの新作は日本先行発売でリリースされた17作目・邦題 アヴェタ(国によって違うのか、アヴァターとは読まないんですね…)、特にPhillip Bailey 復帰作ということで話題性は高く、後にIn The Name of Love とアルバムタイトルを変更して世界リリースに至り(曲順変更・および3曲カット+別途新録1曲追加)、R&B50位を記録。シングルカットは少ない上、まるでPrince を文字るようなジャケ。この後には新装盤としてAvatar に新録だった1曲を追加して、計14曲完全盤としても出ていて、かなり変則的。曲順を変え過ぎて意味をもたらすことって、コンピやベスト以外 オリジナルでは自分には納得がいきにくいので、本作を生と取るべきか、それとも?!

1. Keep It Real
緩くも進化を感じさせるミディアム、ほんわか加減はEW&Fの魅力そのもの。ファンクは薄めに、新たな伸びやかさ
2. The Right Time
大人なムード満載のミディアムスロウ。コーラスの吹き抜けがタマラン!柔らかく、それでいて濃ゆくない程度に入り交うコーラス・ヴォーカルの見事さ、熟年の程良さ満面
3. Fill You Up
ゆるファンク健在にて、コーラスを巧みに取り入れて、優しくも凛とした表情。オートチューンだったり、民族的な風景なのか色々と音を駆使、決してストリートまで行かずもの実験多数
4. Avatar (Interlude)
タイトル曲、2分弱の小さな旅気分。意味としてはインド神話に登場する、神の化身や権化。確かに、それを感じさせる、更には何かに動かされる、任すように浸る世界観
5. Cruising
揺れのあるフィリップ・ベイリーのヴォーカルが、本作の不可思議な空間にマッチ、最小限にも近いような音に、世界を確かめるように主体に創っていく神秘。何て言うか、ヒーリングにも近いクールダウン
6. Revolution (Just Evolution)
1stシングル、R&B89位を記録。らしさ全開のファンク、ただ大分抑え目というか、音や声で攻め立てなくても俺たちの新たなファンクを感じろよ!と余裕で伝えるかの如く


7. Round and Round
ちゃんと聴けるヴォーカル、Sheldon Reynolds の堂々たる・芯のあるヴォーカルは好み。たまに、この手でサウンドを抑えてしまうくらいに、真っ直ぐにかっ飛ばし、アダコン的ソウルフル
8. Change Your Mind
海外盤未収録。Brenda Russell 共作参加。腹式にファルセット風に、彼ららしいヴォーカル、ちょっと緊張感は高め。メロディの吸収の良さ、賛否あれど懸命に辿られる全体に感銘
9. Love Is Life
ほんわかラヴソング、定番で好きかな。ただ全盛期にあったような、ファンク力やバラード力での一心は薄めで、だんだん自分的にフェードアウト気味
10. In the Name of Love
次期…アルバムタイトル曲。サウンド、メロディ展開共に抜け目ないので一般的にアピールしやすそう。普通に楽しそうだし、ファンクも健在
11. Take You to Heaven
海外盤未収録。出だしのファルセットでズキュンされて、まるで女性のように繊細に推し進めるリードにノックダウン。ファンク甘茶!ここではバラードだけど、意表マジック!
12. Rock It
2ndシングル。これだけは、更にエッジの決まったファンクで、音的に革新を遂げてる最高潮じゃないかな。これは相当に自分的にワクワク


13. Bahia (Interlude)
海外盤未収録。インタールードで終わるアルバムは毎度自分としては、不思議な感触。ま、アウトロでしょうか。メランコリーにEW&Fぽくない、滑らかな音感にジャジー酔い

13曲・56分半、90年代のアースって、こんな感じだったんですね。アルバム全体で惹かれるってよりは(爆)、曲によって威力を発揮してくるなぁと。海外盤ではあれこれ曲順を変えている当り、なんだか本意のままにアルバムをリリースしたというよりは出来た曲で一旦構成してみて日本での反応を見たように予測。おそらく海外盤を聴くと、また改めて感想が変わりそう。

<過去レビュー>
1977年 All 'N All
1999年 Remix 2000※1回目
1999年 Remix 2000※2回目
2002年 Soul Source: Remixes
2003年 The Promise

アヴェタ
アース・ウインド&ファイアー
エイベックス・トラックス
1996-07-24

アヴェタ (CCCD)
アース・ウィンド&ファイアー
カッティング・エッジ
2003-06-25

In the Name of Love
Earth Wind & Fire
Rhino
1997-07-29

アース・ウィンド&ファイアー
エイベックス・トラックス
1996-07-17

In the Name of Love
Earth Wind & Fire
Kalimba Records
2006-10-03

In the Name of Love
Earth Wind & Fire
Imports
2007-02-13