51s+PO2GXNL__SL160_グラディス・ナイト、現時点で最後のチャートイン作品でR&B18位・POP93位を記録。この頃、彼女は創作意欲に溢れてて、2005年にはOne Voice (with Saints Unified Voices)、更には2006年同年にはもう1枚A Christmas Celebration (with Saints Unified Voices) をリリース。昨年にはインディーズよりひっそりAnother Journey、更には今年Where My Heart Belongs をリリース予定と、今後更に活躍が期待できそう。2作を買うのを一旦待ち、自分が持ってる最新作がコレになるので、まずは買ってばかりではなく、既存のCDをちゃんと聴こうと思います。

1. Do Nothing Till You Hear From Me
ジャケをちゃんと見てなかった、本作はジャズなんだね。確かにドレスも、その周りを囲む遺影(失敬!)4名もジャズシンガー。Duke Ellington 作、ほんわかクールダウンも付きとおすヴォーカルは熱く!更に、ゴージャスなサウンドも、グラディスは飲みこまれず進み続け勇ましさ圧倒


2. The Man I Love
George Gershwin 作、繊細な歌唱。抑揚あるサウンドを楽しんで涼しげに
3. Good Morning Heartache
しっとり包み込むように、ハスキーさよりも柔らかさがしっかり伝わる。音に寄り添うってのを体現しているかのよう
4. Since I Fell For You
起承転結に美しい流れ、自分的にはBGM的であり、更にはソウル回帰のしっとり聴く流れ。ソウルバーで悶絶
5. God Bless The Child
名クラシック、王道ぽくなく、ちょい足しアレンジのほんわか気分に。でも、大御所ならではの余裕たっぷりの全体感
6. This Bitter Earth
名クラシック続き(両方ともアレサも歌ってたし)、Clyde Otis 作。とにかく上質、演奏も良いし、サックスソロも更に豊かな気持ちになる。グラディスはアドリブ入れつつも、ナチュラル
7. I Got It Bad (And That Ain't Good)
ここではグラディスの歌いっぷりにこそ注目。音に酔ってた前半あれど、ここではかなり個性を発揮。それなりに抑揚もあるけどハスキー優先
8. Someone To Watch Over Me
一音一音に重みがあるというか、説得力が強い。なのに粘っこく無く、しっとり聴けるのは技巧。やっぱり根っからのソウルシンガーを隠せてない、故にニンマリ
9. But Not For Me
ゆったり、可愛らしい声でスタート。後半だんだんと強めにハスキーに、音を色々なベクトルで楽しんでるなぁと
10. I'll Be Seeing You
小編成バンドとの息もぴったり、でもストリングスが入ったりとゴージャス感は潜んでる。声の伸びが勇ましいなぁ
11. Stormy Weather
オールディーズ感満載に、極上メロウ。彼女のタメ・吐き出しで、独断の歌唱。音もかなり凝った往年さがバシバシと


12. Come Sunday
ラストはエンディングをしなやかに飾るべく、バラードにて。柔らかくも、とにかく美しさが突出。彼女のスタンスが本当に体現できた、地味ながらも極みとなっている曲



12曲・53分ほど。なんとも、大御所らしいジャズ作品。選曲も一本通ったもので、これがちゃんとR&Bヒットさせている点からも、彼女への依然とした評価の高さを感じます。更に、彼女は本当色々な音を試すシンガーだと思ったし、声の維持も頑張ってるし、気持の良さが伝わるくらいに音に躍動が張り付いてて、聴いてて健やかになれてしまう、そんなアルバムでした。

<過去レビュー>
1967年 Everybody Needs Love
1971年 If I Were Your Woman
1973年 Imagination
1973年 Claudine (OST)
1978年 Miss Gladys Knight
1982年 The Special Time Of The Yera
1983年 Visions
1985年 Life
1989年 The Christmas Album
1994年 Just For You
2001年 At Last
2013年* Visions (Deluxe Edition)
2013年 Life (Deluxe Edition)

Before Me
Gladys Knight
Verve
2006-10-03

ビフォー・ミー
グラディス・ナイト
ユニバーサル ミュージック クラシック
2006-11-08