41XZQHNJ6PL__SL160_アリシア・キーズ、デビュー作の大成功を受けて2年半振りにリリースされた話題作は当然の如くR&B・POP1位を記録。実際、自分はボーナスCD盤を買っていたので、曲数がみるみる増えレビューを敬遠していました…。でも、うちの会社で“最近アリシア・キーズ良くない?”みたいなレアな話が出て、お!それだったら、夏にもフィットしそうな本作を流れ的に身近に取り上げてしまおうという感じで、勢いです。全20曲、頑張ります!

1. Harlem's Nocturne
イントロは絶妙に重みのあるピアノ曲で次曲への流れを持つ大事なエッセンスに、アリシアの語りも含みつつ2分弱
2. Karma
4thシングル、R&B17位・POP20位を記録。Johannes Brahms "Violin Concerto in D major, Op. 77" 引用。徐々に攻め立てる独特のメッセージ性、重くて深くて、若いのにネオソウルをかなり意味深にまで引っ張る力に驚き


3. Heartburn
ジャズにしては高速、だいぶ素っ早く描く世界観は超絶。音やメロディというよりも、アリシアの躍動する歌いっぷりと覇気に踊らされちまう!
4. Medley: If I Was Your Woman / Walk on By
前者はGladys Knight & the Pips, 後者はIsaac Hayes (Burt Bacharach, Hal David 作)をカヴァー、ソウルの伝承宇師と言っても問題ないくらいに、実に飄々こなしちゃって憎いし、ピアノの音色と共に新たに曲の良さ・強さに気付かせてくれる
5. You Don't Know My Name
1stシングル、R&B1位・POP3位を記録。先日取り上げたばかりですがThe Main Ingredient "Let Me Prove My Love to You" サンプリング、なんかタイミング良いなぁ。後奏のピアノがキレイに映えてて、アナログ感もあるし、ソウルな音づくりに悶絶、高域に炸裂頑張るアリシアにも好感


6. If I Ain't Got You
2ndシングル、R&B1位・POP4位を記録。これは名曲過ぎる。とにかくメロディ、ソウル、音遣い全てにおいて、悶絶、無駄な箇所ないし、どこまでも惹きこまれるし、素晴らしいです、本当この曲は最高です


7. Diary (ft. Tony! Toni! Tone!)
3rdシングル、R&B2位・POP8位を記録。彫刻の森美術館のような音を更に深くして、感情を徐々に発揮していく素晴らしいソウル、名曲多すぎで困る!特にラファエルとの歌いっぷり対決は悶絶


8. Dragon Days
彼女の音楽センスを平坦にもしっかり安定的に表現したミディアム、アルバムではこれくらいの個性の曲で並ってなると最強すぎるなぁと
9. Wake Up
60年代風、Beyonce なんかにも肩を並べるくらいの表現・歌力でぐいぐいと、音楽文化の上質さ的にはアリシア軍配って感じかな、もう独断すぎ
10. So Simple (ft. Lellow*)
共演者のおかげもあってか、比較的可愛らしさのあるヴォーカルを探求しつつ、それでいてぐんぐんと迫っていく彼女の凄身、改めて
11. When You Really Love Someone
早口リリックで勇ましい、アドリブのように次々に技巧を出してくるあたり、本当にルーツ鍛えられてるなー。後半のリード重ねなんて、これまた悶絶
12. Feeling U, Feeling Me (Interlude)
1曲目からようやくのインタールード2分、ピアノだけじゃなくギターを絶妙にリードにしての流れは新感覚、しっとり進行
13. Slow Down
だいたいアルバムって、このへんから印象薄くなるので案外自分的には噛みしめっていうか、聴きどころ。メロウに揺らめく流れ、曲名同様のフィーリング付与
14. Samsonite Man
これもしっとりしてる感じなんだけど、音の出し方に工夫。ベース、パーカッション、ギターと、新しさというよりもアルバムの総決算、イメージングに突入しているかのよう
15. Nobody Not Really
ファルセットに包まれるようなミディアムスロウ、主張の薄い伸びやかなヴォーカルに丸めこまれてしまいます

<Bonus>
16. Streets of New York (ft. Nas & Rakim)
確かにこれは異色、Nas "N.Y. State of Mind" サンプリング。ヒップホップもだんだ強めるけど、ちゃんと分け隔てあるボートラは歓迎だし、更にアリシアらしさもピアノにて

<Bonus CD>
1. If I Ain't Got You (Remix with Usher)
アッシャーとの共演ヴァージョンもリミックスとしてラジオ等で大ヒット、お返しにUsher 当時の最新作Confessions の拡張盤にて"My Boo" を共演しR&B・POP1位!相乗効果凄いなぁと。アッシャーとのメロディバランスもなかなか、オリジナルが一番だけど、決して旨みは失われておらず


2. If I Ain't Got You (Spanish Version ft. Arturo Sandoval)
後半のサビにてスペイン語、なので全部じゃないんです。サックス(?)の音が入って、上質さ維持にて好印象
3. If I Ain't Got You (Kanye West Remix)
この曲自体をサンプリングしているような創り、60年代風温故知新。アリシアは何十年後かに曲をリメイクしているような錯覚に、これを同年にしちゃうのもお互いの手腕
4. You Don't Know My Name / Will You Ever Know It (Reggae Mix)
レゲエというか、ニューオーリンズなジャズって感じがする。高域に頑張る一方、音は緩くてそのアンバランスさは夏にもってこいの温度感に緩和

5. You Don't Know My Name (Video)
6. If I Ain't Got You (Video)
7. Diary (Video)
Enhanced Video のため…割愛、既にYouTube とかでも見れるしね今じゃ

本編15曲・58分、ボートラ1曲追加で63分。ボーナスCD4曲・16分半で、計80分弱(国内盤が最もフルらしい)。大充実の名盤、リミックスのボートラCD含め、無駄無しじゃないかな。とにかく、何度も聴いていたい上質作品。R&B、ソウル、ジャズとしてもファン層を確実に広げ、更なるポップフィールドにも。貢献度高いです。

<過去レビュー>
2001年 Songs In A Minor
2002年 Remixed & Unplugged
2007年 As I Am
2008年 Miss Keys
2008年 Remixed
2009年 The Element of Freedom
2012年 Girls On Fire



Diary of Alicia Keys (Bonus CD) (Arg)
Alicia Keys
Sony Bmg Europe
2004-10-05

The Diary of Alicia Keys
Alicia Keys
J-Records
2003-12-02