Roberta-Flack-–-Stop-The-World-1992-FLACロバータ・フラック、国内企画盤としてリリースされた矢沢永吉 バラードを英語詞にてカヴァーするという異色作。当時ロバータはAtlantic 在籍中で1991年Set the Night to Music と1994年Roberta の間に挟まれた形で、本作は東芝EMIからの別リリース。永ちゃんの海外での認知っていうよりも、日本マネー・日本音楽バブルあってのリリースだったのかも。以降、ロバータは高橋真梨子カヴァー集もリリースしているくらいなので、根本的に親日家なんでしょう。今年頭に国内でライヴを重ねてましたが、一生のうちに観ておきたいアーティストです。

1. 時間よ止まれ (Stop The World)
永ちゃんの曲はメジャーなのしか分からないけど、これは有名ですね。ただ、原曲と全然異なるロバータの世界に、元々声も全然近いわけではないので、優しいジャズ風味・大御所の揺らめきと言った感じでしょうか


2. 抱かれたい,もう一度 (Love That Was Lost)
解き放たれたように、広がるヴォーカル。エモーショナルもありつつ、彼女の偽りない魅力溢れ。ロバータらしく居れる楽曲、だからこそのソングブックなのかな
3. チャイナタウン (Chinatown)
潔く進行しつつ、術が試される流れだと思うんだけど、キレ良く歌っていて好印象。なかなかR&Bでは魅せる事のない曲調だったりするから新鮮


4. ミスティ (Love Will Make Me Strong)
しっとりと聴かせて、抑揚含め起承転結が素敵な曲。ロバータも曲のイメージに張り付いて、多種な引き出しを発揮
5. アイ・ラヴ・ユー,OK (I Love You)
結構キラキラと高域を頑張って出してくれるのが嬉しいな、モダンにアダコン路線にアレンジ。ロバータの進行形を聴けるし、何より上質
6. ニューグランドホテル (We Can Make It Right)
やるせなさと、上質さの織り交ぜ。強弱は薄くも、ツーンと突き放つヴォーカルは病みつき、曲の良さが際立つし
7. ラスト・シーン (The Moment Has Come)
ダンサブル、コーラスも加わってだいぶ鮮明な音世界。更にギターも効いて、、、ただ後半ロバータの個性があんま目立たずだけど
8. 愛しい風 (Got The Blues)
女性コーラスとのハーモニー、気持ち良いけど、控えめかな全体的に。ただしロバータらしい歌われ、サウンドって感じかな
9. ラスト・クリスマス・イヴ (Last Christmas Eve)
日米関係なしに、音の楽しみを理屈抜きに届けてくれるバラードって感じ、自然体で歌われて、こっちも気楽に聴けるなぁ

9曲・42分、改めて良い曲だらけなことに驚き。そしてロバータにフィットするどころか、新たな部分も惹き出せているので、これは国内限定と言いつつも、海外ファンもお宝状態なのでは。既に廃盤ですが、自分はTSUTAYAレンタル発見派です。ジャケも見たことなかったんで飛びつきましたが、期待少なかった割に相当な充実感。こういうのがあるから音旅は止められない。

ロバータ・フラック
EMIミュージック・ジャパン
1992-07-29

Stop The World ~ 時間よ止まれ
ロバータ・フラック
EMIミュージック・ジャパン
1992-09-30