61sMMsGKuEL__SL160_バリー・ホワイト、Unlimited Gold 移籍4作目で、前作から半年のスパンでリリースされた13作目はR&B40位・POP207位を記録。普通に店頭で安く見つけたんですが、彼のこの時期の作品ってなんか日本では入手しにくくなっている気がしたので飛びつきました。元々は遺作1999年Staying Power からがリアルタイムだったりするので、遅れて過去に遡って言ってますが、ジャケからするとこれはだいぶ地味。ただ、タイトルにもある通り、もしかしたらの力を感じて。あと、この頃低評価のソウルシンガーの生み出す音ってのは興味が前からあって(ただ彼の場合は作品を思いのほか多く出し過ぎていた時期かも)。そんなわけで、空振りするかもしれないけどー。

1. Beware
2ndシングル、R&B49位を記録。Jo Ann Belvin 作、ゆったり歌われるタイトル曲、ムーディに決めてくれる誘い曲っていうか、エロさから上質な夜への移行?寂しさもあるけど、彼らしいソウルフィーリングを備えたスロー


2. Relax To The Max
またもスロー継続、ホーンもシンセも独特なムーディな世界に。サウンドに任せる部分が多く、煌めきを感じさせてくれます
3. Let Me In And Let's Begin With Love
探るような音ながらも、弾けてて、コーラスとの気遣いが新鮮。イントロから景色が変わって、後半にはストリングスや高域も聴けて、頼もしい仕上がりに
4. Your Love, Your Love
軽やかながら、起爆はここまで少なく。程良く華麗な世界というか、バリーのヴォーカルがBGM的に彩り。楽しげに歌われてて、自然とスウィング。Unlimited Orchestra の名残みたいのを感じるなー
5. Tell Me Who Do You Love
ここから3曲は2分程の曲が続きます。ラヴソング、セリフからして定番気味。オケーストラに合わせて、ゆったりコーラスが吹き付け、バリー自身は出てこず
6. Rio De Janeiro
リオデジャネイロ感無いです、セリフコーナーというか、そこそこクールなサウンドに、バリーが語りを若干入れてBGM第2弾
7. You're My High
まだまだ続く、同じようなサウンドに乗せて、面白い趣向ではあるよね。ただ、企画物に捉えられがちだと思うから、万人受けする感じじゃないけど、ねっとり
8. Oooo....Ahhh....
曲調変わってベースラインで締めつつ、声細な感じでそーっと歌いつつ、サウンドは低姿勢・コーラスは60年代風にしっぽり、独特の雰囲気を作ってくれるあたり彼の才能だけど
9. I Won't Settle For Less Than Than The Best (For You Baby)
音のキレは上がって、アーバン増し。アルバム全体のイメージとは異なるけど、しっかり創られた感有って、もっと訴求してよかったんじゃないかな、分かりやすく彼らのメッセージ性が伝わるメジャー向き
10. Louie Louie
1stシングル、チャート圏外。1957年Richard Berry カヴァー。ラストはラテンで7分超、おどけてるけど、音や新たな趣向的なインパクトは絶大。ただ、彼のイメージと異なる音なもんで、当時求められる音とはちょっと違ったかも


10曲・41分半、OPとEDのインパクト、他は結構しんみり進んでしまう感もあったかも。中間部5-7曲目のインタールードつなぎみたいなのも、当時にしては彼の才能ブリブリ出まくってる気はします。ただヴォーカルとしてのうまみは本作では薄まってたかも。時代意識と言うよりは、彼がやりたい音楽を遂げていたがために、だんだん下火って感じかな。それでも安定的に小ヒットを放っているから、コアに面白いところ付いてたのかもね。

<過去レビュー>
1973年 I've Got So Much to Give
1973年 Stone Gon
1989年 The Man Is Back!
1994年 Come On
1996年 In Your Wildest Dreams with Tina Turner
2007年 An Evening with Barry White

Beware
Barry White
Westbound

BEWARE!
バリー・ホワイト
トライエム
1996-01-24