41VYWP6YA9L__SL160_ジョニー・ギル、2年半振りの5作目でR&B7位・POP32位を記録。1990年Johnny Gill、1993年Provocative とヒットを連発していた中、更なるヒットを狙ってか、はたまた当時の音楽状況的にここで盛り返さないと…という思いなのか、今回は特に制作陣が多彩。Motown 最終作としてゴールドを獲得、ヒットに至りましたが想定以上のヒットにはなってなかったかもしれませんが。

1. Let's Get The Mood Right
1stシングル、R&B17位・POP53位を記録。Babyface 作、ジャケでも感じられたようなメロウ、ムードいっぱいに広がる甘口バラード。童顔氏のコーラスも既に定番となりつつある95年、ジョニーの見事に登っていくヴォーカルとマッチして心地最高。お決まりかもしれないけど、凄く響く展開


2. Touch
Kenneth Gamble, Leon Huff 作"Cry Together" サンプリング、そっと歌いつつ、ジャズのような、上質ソウルのような。ミディアムスロウなんだけど、ジョニーのアドリブだったり抑揚で曲が鮮烈に色づく!彼の技巧に感心
3. Maybe
Jam & Lewis 作・pro.、ジャムルイがこんなスローに滑らかなバラードを提供するのも原点回帰な気も。ほんわか気分にも、ジョニーは決して無理なく王道なヴォーカル展開、これでいいんだよね、しなやかに伝う!
4. Having Illusions
2曲続けてTony Rich 作・pro.、ジャケにある大人の世界を演出し続け、リリックを良い感じで詰めて、サビではコーラスとの美しいか良い。壮大で良いな、でも無理ない感じで維持。ジョニーのアドリブもニンマリ
5. Bring It On
ライヴが想定できるけど、エロイ。アエアエ言ってるし。一方でちょい荒れのヴォーカル聴けるのも気持ち高ぶるポイント
6. Take Me (I'm Yours)
3曲目に続きJam & Lewis 作・pro.、Joseph Powell コーラス参加、実に7分半に及ぶラヴマジック。イントロから酔えるストリングス風シンセ、長めの尺で情景多々。言葉よりも全体で感じさせるグルーヴ
7. Love In An Elevator
3rdシングル、R&B59位・POP104位を記録。Troy Taylor 作参加、ライヴギター&ベースはジョニー自身。男気もあって、層のあるコーラスもあって攻めてるし、程良いシングルカットかな、ただありきたりではあるけど


8. It's Your Body (ft. Roger Troutman)
2ndシングル、R&B19位・POP43位を記録。当時ならではのオートチューン(?)を入れて、なんか微笑ましいというか、今でもたまに聴くと楽しくなっちゃうな。基軸はスロウで息使い、そこにセルフアドリブで創られていく骨組・肉が見事


9. Someone To Love
R. Kelly 作・コーラス・pro.、当時の彼らはコンセプト自体も似てて違和感無い共演じゃないかな。囁きとか反則だし、でも男同士ナンパに出かける曲というか、姑息(笑
10. 4 U Alone
Al B. Sure 作参加、涼しげな仕上がり、これも共演でこそ生まれるグルーヴ。キラキラしてて、アルバム全体に光をくれるよう
11. Love U Right
Jermaine Dupri 作参加、当時JDがこんなにしっとりバラードを提供するってのも意外。彼にフィットする心地を探しての結論かな。ただ、どこかヒップホップ混じりながら、ジョニーは臆することもなく淡々とバラッド紡ぎ勤しみ
12. Simply Say I Love U (ft. Stevie Wonder)
2曲目Troy Taylor pro. 、愛を幸せを心から歌うコーラス、スティーヴィによって場が更に拓けるというか、偽りなく素敵な世界。ゆったりしてて、インパクトは無いけどアルバムに於いては休息というか安らぎをくれる
13. I Know You Want Me (ft. Kairi Styles)
残りは駆け抜け、本来初っ端にあっても良いような曲、ミディアムでクールに。コーラスの効果、更にエッジ効いた演奏あってかも
14. So Gentle (ft. Ronnie DeVoe)
3曲目Troy Taylor pro. 、トロイもコーラスに参加したり、ラストはほのぼの、引き締まった中にも緩く高揚感。余裕があるじゃんね、もっとムード余韻浸ると思いきや、後半は結構意外な流れ

14曲・68分のボリューム(盤によってはボートラなのかもう1曲追加されているのもあるよう)、当初はエロエロ、酔わすこと目的の作品と思いきや、ゲスト多彩に色々な術を試して、途中で垢ぬけたのか、ハッピーな世界が後半は広がっているのが良い意味で裏切られた展開。この頃のR&Bは、王道のまま死んでないね。似たような展開の中にも、しっかりアーティスト魂が詰まってます!!

<過去レビュー>
1985年 Christmas All Over the World New Edition
1991年 Johnny The Remix
1993年 Provocative
1997年 Levert, Sweat, Gill LSG
2011年 Still Waiting

ジョニー・ギル
ポリドール
1996-11-04

Let's Get the Mood Right
Johnny Gill
Motown
1996-10-08