21ZP0AoeHsL__SL160_プリンス、3ヶ月という超短いスパンでリリースされた16作目はR&B18位・POP47位を記録。14作連続でUSゴールド以上を記録していましたが、本作で一旦途切れることに。あと、ジャケは真っ黒(国内盤は帯があるの雰囲気大無しだけど)(とは言え、アートワーク関係なしに聴けよ、っていう近年のKanye West 作にも通ずるメッセージ性が逆に聞こえてくるよう)、一応これLimited Edition って扱いなんだね。自分的には、90年代のプリンスは中古流通も多いから持ってると思いきや、持ってなかったので最近捕獲。というか彼リリースが多いので、買い漏れも相当あるんだよね、例えば2年後のGirl 6 とかワゴン済と思いきや…みたいな。本作8曲と言う短さなので、さっくり聴けそう。なんともシングルカットはゼロのようです。プリンスとレーベルWarner との冷戦具合が伝わってきますが。

1. Le Grind
ファンク維持、ノリとポップさ、当時の音も混ぜながらの相変わらずの殿下節。女性コーラス・フックが厚め、そこに自然とキュンキュンヴォーカルを挟んでくるプリンスらしい融合
2. Cindy C.
ノンストップ?ライヴ感あるなぁ、ファルセット級にキュンキュンしまくり、女性コーラスのほうが駆け足ながら落ち着いている感じの粋で。中盤は、涼しげなヴォーカル、ディスコテック混じりかな
3. Dead On It
ストリート感いっぱいに、当時の音をこなしつつ、殿下節に染め上げていく堂々とした展開。ヒップホップにも近い仕上がり
4. When 2 R In Love
これも、シンセが90年代中盤を感じさせるけど、しっぽり心をクールダウン。メロディと、殿下のコーラスが酸っぱいくらいに水平線と化して心地よく。他コーラスが無いので、彼だけのラインでうっとりだ
5. Bob George
これは殿下?延々低域というか、フィルターがけられたようなヴォーカルに、ロックギターでサウンド化。ラッパーのような雲行きでの展開、試されてるなぁ
6. Superfunkycalifragisexy
ラップ調で高速進行、定番ぽいポップな音を入れたりしつつ、テケテケファンクはどこまでもパワーを放ちながら展開。決して重たい音じゃないのに、面白い響きを追求してるなぁと
7. 2 Nigs United 4 West Compton
テンポを更に上げて、前半はシンセの渦。中盤はベースのテケテケが最高、後半はシンセばきばきに遊びで終了、最後までヴォーカル無し7分
8. Rockhard In A Funky Place
ラストはヘリウム吸ったような殿下の、遊び声。ミディアムで、ちょっと終わるにはテンポダウンな気もするけど、彼ならではの遊びの延長って気がする。外野もトーン抑えて横揺れ加減

8曲・45分弱。1曲1曲の尺は長めなので、決して駄作というか、しっかり楽しませてくれるなぁという印象です(なんでかYouTube 全然引っかかってこない、フル試聴は出てきてしまうんだけど)。ただ、全体を通してポップ性と言うよりもアウトテイク集にも聴こえるかな。それくらいに、ぶっ飛んでる一方で、レコード会社が頭を抱えるのも分からなくない。それもヒットさせる気があるか分からない総分数。ま、こういうリリースがデジタル配信時代前に延々行っていた革新者だなぁと。

<過去レビュー>
1988年 Lovesexy
1989年 Baddance
1994年 Come
1994年 The Beautiful Experience
1995年 I Hate U
1996年 Chaos and Disorder
1999年 1999 - The New Master with The Revolution
1999年 Rave Un2 The Joy Fantastics
1999年 Rave Un2 The Year 2000 In Concert DVD
1999年 The Valut... Old Friends 4 Sale
2010年 20Ten
2014年 Art Official Age

ブラック・アルバム
プリンス
ダブリューイーエー・ジャパン
1994-12-21

The Black Album
Prince
Warner Bros / Wea
1994-11-22