R-1689825-1317422975シェリル・リン、2年振り8作目は前作から再度レーベルを変えてManhattan からVirgin にて再出発でR&B42位を記録。元々デビューからのColumbia からの6作は評価は高く、今尚リイシュー等で話題。でも、本作然り、特にこの後6年空けて日本Avex からリリースする流れなんかは、彼女のキャリア的には開き直ったものがあるようにも。ただし器ある定評されるシンガーとて、本作にも期待持って手に取ってみました。

1. Upset
ダンストラックに乗って、まだまだ彼女らしい喉、更には強さが往きた曲。もしかしたらアレンジは古臭く思うと思うけど、ヴォーカルの旨みはまだまだ健在
2. Every Time I Try To Say Goodbye
1stシングル、R&B7位を記録。出だしはバラードのような神妙さと思いきや、程良く楽しく歌われるポップR&B。キラキラしてるな、きっと彼女の復活アピールにはもってこいな感じだったんだろうな、水を得た魚状態


3. Whatever It Takes
2ndシングル、R&B26位を記録。タイトル曲、重たさも説得力もあって、ドキドキ聴ける。スキャットばりのヴォーカルも入ったり、結構力が入ってる。ゴスペルぽいコーラスとの唱法も、それとも異なるような手前で次へ次へ


4. Good For Me
だいぶ印象が違う、キュンキュン破裂するようなヴォーカルは出さずに中低域で、更にシェリルのコーラスが優しくて、これは意外だった!安心の跳ねもあるけど、サービス精神かな
5. Overworked 'N' Underloved
音への挑戦、ストリートに対峙するシェリル。ビジュアルはさておき、無理はない戦闘。ただ、既にオバサン化してるあたり大御所への街道?Patti LaBelle なんかに近いんだよね、アドリブなんか含めて。でも、一応伴奏は聴く方だからシェリルは平静保ってる方
6. I Surrender
キュンキュン跳ねつつ、これは彼女の得意とするところ!高音もさりげなくバシバシと、でもスムースな心地よさがどこか彷徨ってて、単のポップに収まってない!すげ
7. Most Of All
アダコン路線ってのは、本作では感じなかっただけに、この落ち着く曲調でゆらり攻める彼女は憂い、嬉しい。こういう風に軌道乗せてたら、もっとヒットしたシンガーだったのかな、個人的にはこれはLuther Vandross デュエットなんかにフィードバック
8. The Bottom Line
ラストはご機嫌ダンスポップ、時代出過ぎ、今となりゃ恥かしい音、エッセンスたんまり。当時の流行を堪能するには良いかな

8曲・41分半、程々売れたのに、シングルも好調だったのに、まるで黒歴史状態?あんまり良い評価は聞いたことないし、これはリアルタイムの感想が必要だ!ヴォーカルは健在、挑戦もしてるし、アダコンも聴けた。ただ、全体を通すと、どこか物足りなさもあるなぁ。プロデュースが一貫とし過ぎなのか、曲は5分超が多く、だらっと流れていく感じも、もしかしたら…。シェリルを好きって人以外は取っつきにくかったかも。ムズイもんですな。

<過去レビュー>
1981年 In The Night
1983年 Preppie

Whatever It Takes
Cheryl Lynn
Atlantic/Q Records
1989-09-18