51RUS0GmCdL__SL160_原題20 Feet from Stardom 、自分は映画宣伝というよりも、王様のブランチで取り上げられてたDVD宣伝で知って、以来レンタル探して見つからず(多分あるんだろうけど)、アマゾンなんかで安くなってたので買ってみました。

何と言っても、これまでの音楽を追う映画においては、着目が異なってて面白いなぁというのが感想。自分はブラックミュージック好きという事もあって、コーラスの必要性・魅力は当然だったので、この映画を通して色んなことを知れたのが良かったです。特に、Lisa Fitsher Luther Vandross に見出されたわけだけど、エアのように歌うというのはルーサーがリサの魅力を引きだすコーラスプロデュースだったわけで。映画はドキュメンタリー的に進むので(もっとストーリー映画らしいものだと思ってたんだけど)、1994年Royal Alberthall でのライヴ映像だったり、"Power of Love" のリハ風景なんかも出てきたり、懐かしいなぁと。更には、リサがソロデビューして、グラミーまで取れたのはルーサーではなく、まさしくもリサの実力だと証明できる流れは、なんかニンマリしたなぁ。そのリサも、ソロ2枚目が製作できなかったのは、時間をかけすぎただけではなく、コーラスの人にありがちな推しの弱さ、駆け引きだったり。

さらに、コーラスの人たちは今シゴトが減っているというのも、ちょっと悲しくなった。70-80年代はDavid Bowi だったり、Aretha Franklin, Dionne Warwick だったり、コーラスという人間が純粋に持つ魅力が当然音楽に必要だったのに、今はどんどん節約・軽視・削られてしまっているという現状。シゴトに困るコーラスも多いとかで。

その一方で、Darlene Love のように40歳でソロとなり、2011年にはロックの殿堂入りをするバックコーラスまで現れる、これは快挙だなぁと。Tata Vega なんて、ソロが売れてたらきっと薬中死してたってのも、コーラスがフィットする人の発言そのものなんだろうね。Michael Jackson "This Is It Tour" でリハ共演してたソロパートJudith Hill なんかも、周りにアドバイスされて、コーラスをほぼ断るようになり、今では曲を書き、ソロステージを中心にとなっているけど、あれから5年。そんなに陽の目をみてないような…。チャンスの問題なのか、運?元々の運命?

Stevie Wonder, Sting, Sheryl Crow, Joe Cooker, Mary Clayton, Bruce Springteen, The Rolling Stones と重鎮が出まくってる、かなり音楽ファン必携の映像と思いました。90分と短いですが、これは再度見たくなる味があります。ドキュメントとしても、コーラスの魅力としても、出演陣の凄みとしてもお薦めです。



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