51WDK9mrtLL__SL160_1973年春まではジャズではヒットしていた重鎮も、1973年夏からはヒットを連発。そして毎年のようにリリースされてはヒット、本作もR&B6位・POP21位・Jazz1位とクロスオーヴァーヒットを記録。何か生楽器な音を聴きたいなぁと物色していたところ、イントロで聴こえてくるは耳馴染みある曲!そう、Janet "All Nite" まんまじゃん!ってことで、なんかワクワクしてしまい、本作を流れるままにレビューすることに。でも、本作って単体では1991年にCD化されただけ?なんか惜しい気が。更にはシングルカットが無かったようで、何とも堂々としたプロモというか。

1. Hang Up Your Hang Ups
出だし、ほんと古びてなく、2000年以降の音と思っても相違ないくらいにクリエイティブ。でも、際立つ音以外はジャズ全編にご機嫌にハッピーに。ホーンもオルガンも躍動感たっぷり、疾走
 

2. Sun Touch
しっとり、探るように。でも洗練してて、独特に音が紡がれている様が、休日の極楽と言うか。甘さ、暖かさ、巧妙さ、色々と味気があって、映画音楽にも近いような無と化すような自然体
3. The Trailor
ニューソウル辺りも意識してそうな、ギターやパーカッションはStevie Wonder みたいだし。でも、ジャズ本質を行く彼としてはルーツ失わずに、程良い旋律を淡々と。10分近くも、起承転結が見事。ボルテージも彼としてはだいぶ意気が凄いような
4. Bubbels
景色は変わって、まるで水中に潜ったかのような静寂。と思えば木陰でぼんやり空を見上げているような感覚も。すべてはバブル、泡のように音が宙で分解する様が絶妙に描写。これを9分もじっくり奏でられると鉄板…


5. Steppin' In It
これは意外、だいぶ肩の力の抜けた感じで、ホーンもベースもドラムも遊んでるなぁと。ほんわか行進、このゆったり感はアルバムにおいてのクールダウンかな、でも手抜きって感じより耳への気休め保養
6. Heartbeat
ラストは、お後が宜しいくらいに、ミディアムファンク。ジャズなんかな、でもライヴとかだったら、かなり上質に聴こえそう。アルバムだと、ちょっと攻勢が弱まるけど、スムースに流れを終えられる感じ

6曲・45分、抑揚が素敵なアルバム。攻めてるかと思えば、ヒーリングになったりフュージョンになったり、でも本質はジャズとして抑えてて、当時のニューソウルも取り込んでる感あるし、上手いバランスでLPを一回転させるあたり、個人的に刺さるなぁ。なにより、1曲目のキャッチーさはそれまでだったけど、その後のハービーワールドの展開は、読めないからこそ、ワクワク楽しめるし。トータル、マン・チャイルド…人間だけでなく、自然や地球の成長なんかを音で難易度高く表現してくれている、でも聴いてるとそんなに難しい感じじゃないから憎めないんだよね。

<過去レビュー>
1976年 Secrets
1983年 Future Shock
2007年 River: The Joni Letters

Man-Child
Herbie Hancock
Sony Bmg Europe
1992-05-04