1401124091_folderデヴィッド・T・ウォーカー、1年振り4作目。今に至るまでコンスタントに作品をリリースする孤高のギタリスト!先日のマリーナ・ショウのライヴでは念願のプレイ拝見をできたわけで、未だに余韻残ってます。本作は、3枚一挙国内リイシューされた際に、ジャケが最もピックアップされてたセルフタイトルアルバム(躍動と光を表したような美しさ)。ライヴDVDを買おうと思ってたくらいなのに、間近で見れたことに感謝しつつ、改めて44年前の名盤を。

1. Never Can Say Goodbye
The Jackson 5 で有名、後のGloria Gaynor でも。ストリングスが裏で繊細に、そしてニューソウルに敵うような想いの籠ったプレイ、酔える!コーラスも入って(これは本人かな?)、気持ち高ぶり


2. Loving You Is Sweeter Than Ever
オルガンが素敵なエッセンス、ギターは個性はそんなに強くだしてないのに、どうにも惹かれるプレイ。ドラムもベースも躍動、全体でクール
3. On Broadway
ストリングスがほんのり、メロディを辿りつつも、やるせないコーラスとの相性良いなぁ。エッジもきいたギターテク、さらに男性コーラス(ヴォーカル扱い?)は芯があってニューソウル
4. I've Never Had The Pleasure
ファンク!荒いって程ではないけど、人間臭さよりも洗練が強い。かなりジェントル、演奏のキレも最高
5. I Believe In Music
しっかり噛みしめながら踏みしめながら演奏しているようで、好感。放つようなコーラスは、これまでと違う女性味。強さや、儚さ、それぞれに。それを色づけるようなギターの音色
6. I Want To Talk To You
B面、柔らかい中にほんのり主張。このバランスが良い、煌めきなんだけど、決して甘ったるくはない。その絶妙なハンバーガーサンドされた感じ
7. Hot Fun In The Summertime
夏ってよりも、木陰で一休み。涼しげ、クールさが際立ち。彼の描く夏は、湿度低め、大人の汗かかない夏
8. Only Love Can Break Your Heart
抜けるようなコーラスが独特、ピアノが安らぎ。ギターは結構オヤスミ状態。でも、ほんのり出てきては場に色味
9. What's Going On
アレンジが効いてるなぁと、ギターだけじゃなくて、オリジナル以上に籠ってて謎めいてて、自分的には噛み応え有るなぁと、歌ない代わりにギターの技でだいぶ奥深く


10. The Real T.
デヴィッド自身の代名詞的な奏で?タイトル的に。混沌としてて、でも明るさもあって、ブルージーで。ギターだけじゃなくて、全体で語ってる感じが強い

10曲・36分、ソウルの変革期ってのもあって、自分が知ってた60年代の彼と、70年代後半の彼とではだいぶ音作りが違うなぁと。ニューソウルな印象が強いうえに、決してギターテクニックにおぼれず、全体調子だったり、彼の内に秘めた思いを少しずつ放つような繊細さに、唸ってしまいます。彼を観た後だけに、彼の演奏風景が浮かぶなぁ。沁み入る、秋なんかに最もフィットしそう。

<過去レビュー>
1967年 The Sidewalk
1976年 On Love
2015年 Reunion Tour with Marlena Shaw Chuck Rainey, Larry Nash, Harvey Mason @ Billboard Live Tokyo

デヴィッド・T・ウォーカー(紙ジャケット仕様)
デヴィッド・T.ウォーカー
ビデオアーツ・ミュージック
2006-12-20