61IEF9Lvt1L__SL160_ジェームス・ブラウン、1988年リリースの完全未発表音源コンピレーション作に、2曲のボートラを追加した2003年の盤をレビュー。これ、当時リイシューにおいて結構話題になってたので購入しましたが、JBは特にこういった特殊盤が多く存在するためか、聴きこむまでは行かず。それでいて、今までリッピングもしてなかったので長らく聴いてなかったのですが、最近になってドカンと取り込み始めたのを機に改めて聴いてます。1960年代〜1970年代初期のライヴを中心に、更にはリミックス音源なども。面白い趣向で繋いだ盤とて、1988年に出ていたことを考えると革新的!

1. There It Is (Live) The J.B.'s
オルガンはJB、トロンボーンはFred Wesley。初っ端はバンドも従えて、ハイパーなサウンドとビートで。JBのヴォーカルはぶっ飛んでる!会場、そしてJB自身がホント最強にクール、3分で見事に惹きこんでくれてます


2. She's The One
サックスはMaceo Parker!スタジオ録音だけど躍動感が凄い、声も若いし、一発録かな、シャウトも絶頂だし、演奏のクオリティもぶっ飛んでる。安心して聴けるし、かなり気持ち高揚
3. Since You Been Gone (with Bobby Byrd)
ここからのベースはBootsy Collins。面白い音階を双方に辿るなぁと、テケテケファンク健在にて、でも音を取りにくそうなくらいに細かい震えを持って進行するサウンド。ヴォーカルの波なんかも、面白い線を辿ってくし、超躍動
4. Untitled Instrumental
タイトルまんまにインスト、うまく場つなぎ。これはJBも少なからず監修してるコンピだね、じゃないとこのセンスは考えにくい
5. Say It Loud (Say It Live) (1969 / Live At Bell Auditorium)
タイトルがいいね、ライヴ!音でサクサクしている感じ、でもJBはサラリと歌い飛ばして聴き易さ有り。と思ったらキンキンシャウト、この裏腹がタマラン
6. Can I Get Some Help (unedited)
ほのぼのしているようで、フックが格好良いミディアムファンク、タイトル通り9分に及ぶ絶頂、決して飽きないテンテケ。ライヴじゃないけど、ライヴグルーヴィ。起承転結、お後が素晴らしい
7. You Got To Have A Mother For Me
B面スタート、JBの躍動再来、声はセクシーだし、汗がほとばしってるぽいし、ぐんぐん進行するスタイルに悶絶
8. Funk Bomb (Instrumental) The James Brown Orchestra
またもインスト、名義とは別に音自体はファンキーファンク。抜けもあるけど、決してストリングスとかが入るわけでは無く
9. Baby Here I Come
余裕のホーンにも負けない圧で攻め放つJBは唯一無二、完全たる威力で他を寄せ付けない声。聴いてて爽快、そして乗りまくり
10. People Get Up And Drive Your Funky Soul (Remix)
The J.B.'s
これは出だしからクール、口ずさみJB。更に歌謡ファンク、最初で既に掴まれた!YouTubeでも閲覧数多いのはサンプリングに使われてるのか、単に人気が高いのか。9分に亘って展開される、絶妙に心地よい位の音に、JBの内の部分が程良く出てるナイスフィーリング


11. I Got Ants In My Pants (And I Want To Dance) (Remix)
JBのファニーな部分が引き出された楽しいナンバー、ファンクなんだけどウキウキするような、まんまダンスしたくなる要素詰まって、趣有るエンド7分半

<Bonus>
12. You've Changed
驚くべきシャウト、あくまでもリイシューにおける最適な好調な音源を持ってきたってところでしょうか。本編と繋がりは薄くも、かなりアッパーに、歯切れも凄過ぎ、まるでデーモン小暮状態な高域、たまらんソウル
13. Body Heat (Alternate Mix)
トドメすぎる、これは時期は1970年代後期なんで本編の意図とは異なるけど、12分に及ぶ未発表音源、ライヴ的な音源はクールそのもの。コーラスが明るく、シンセが新たな時代を感じさせて、でもファンクに落ち着いた感じも

11曲・59分半、ボートラ2曲追加で75分。本編の躍動にただただ悶絶!彼のライヴの魅力、それを1988年に改めて蘇らせるべく手法。彼は同じ曲でも、あれこれ料理しまくって、次々と新たな産物と変えるのは正にプロデュース力。90年代も近いというのに、覚めない力に驚きと、楽しみ。今、ここまでアルバムにこだわって聴く人は減ってると思うけど、これは原点回帰、アルバムの持つチカラだなぁ!

Motherlode
James Brown
Polydor / Umgd
2003-06-17

マザーロード
ジェームス・ブラウン
ユニバーサル インターナショナル
2003-08-06