51q-HnRYfBL__SL160_アレサ・フランクリン、アトランティック移籍1作目I Never Loved a Man the Way I Love You から僅か5ヶ月のスパンでリリースされた2作目でR&B1位・POP5位を記録。前作はゴールドを達成していたものの、本作は未達成。更に、前作は2曲・次回作は4曲のシングルがあるものの、本作は1曲のみ。重要なアレサのCDがボックス化されたOriginal Album Series (5枚組が2ボックスリリース)なんかにも収録されず、結構地味な立ち位置のアルバム。アレサの初期の名盤と言えば前述の作品とLady Soul という人が多数なため、でも実際、アレサの勢いがまんまパッケージされてる大ヒット作。チェックしておくべき名盤!

1. Satisfaction
The Rolling Stones カヴァー、こんな曲だっけって思うくらいライヴヴァージョンの方が馴染んでた(Live in Paris 1曲目)、うねりだったり渋みだったり、彼女の余裕のフィーリングが格好良すぎる。2nd 1曲目、この曲にてストーンズだって、こんだけドス黒くできるんだよ、っていう相当なメッセージ


2. You Are My Sunshine
Rice Brothers Gang, Jimmie Davis 等で有名なカヴァー。 出だしからゴスペル、ブルーズのシリアスさが充満して、相当に暗くて、1曲目との変わりように驚異。姉妹コーラスも聴こえてきた辺りでバウンス開始、弾んでるけど、いずれにせよ世界観独自
3. Never Let Me Go
ミディアムスロー、丁寧に歌われながらも、スピリッツが入りこんで、息吹ある曲に。リリックがじっくり染み込んでくる。、訴求度が高く
4. 96 Tears
Question Mark & the Mysterians カヴァー。軽快に、1曲目にも近いポップロック増して、尖った感じもクール。高域が卒なく放たれる余裕
5. Prove It
音はコロンとして可愛らしい感じなのに、ヴォーカルの張り、高域の多さ、コーラスの白熱から違った表情が描かれているギャップ萌えバラード
6. Night Life
これも当時のライヴヴァージョンの印象が強かったんだけど、まったりしたサウンドの中を意志をもって進行する勇ましさ、独特のフィーリングのクールさに惹きこまれ
7. That's Life
Marion Montgomery カヴァー。ブルース度高い曲だけど、相当に打破する感じで進行する歌いっぷり。途中からストリングスが出てきたり、これまでに無い華やかさ、ポップフィールドをめがける感じで眩く
8. I Wonder
Cecil Gant カヴァー。中盤地味にききながせそうなクールダウン、歌も演奏も完ぺき、ほんのりピアノが美しく滑らかな心地に
9. Ain't Nobody (Gonna Turn Me Around)
低域〜中低域を重視に唄っていく軽快さ、余裕。こなす感じでも、十分ソウル溢れ、むしろコーラスが躍起
10. Going Down Slow
1stシングルB面、St. Louis Jimmy Oden カヴァー。当時の人気曲の一つかな、でもここまでシングルもなく、カヴァーばっか、でもアレサ流儀の歌の発散、どっぷり深い中を泳ぐようでソウルの重鎮度如何なく発揮


11. Baby, I Love You
唯一のシングルカット、R&B1位・POP4位を記録。Lisa Marie Presley, Donny Hathaway, Roberta Flack, B.B. King, The Bar-Kays, Erma Franklin, Irma Thomas, Otis Rush、ライヴではChaka Khan, Fantasia などもカヴァー。アルバムの流れまんまにどっぷり歌われる、ポップさ10%・湿ったねっとりソウル度90%って感じかな、曲は良いけど掴みは他の当時のシングルに比べると低いかも


11曲・36分半、移籍第1弾の大ヒットから放つには早すぎて、そして企画盤にも近い程プロモや曲の並びもつよっと意図性が薄いような、今でいえばミックステープ的な位置づけにも思えてしまうからか、やはりアルバムとしての認知・人気が低くなってしまうのは仕方なし。でも当時の勢いたるも凄いので、なんか自然に歌っても、ゆったり歌っても威圧・風圧があるようにも感じる、そんな作品。

アレサ・フランクリン
イーストウエスト・ジャパン
1990-04-25

Aretha Arrives
Aretha Franklin
Rhino/Wea UK
1993-07-20