51Tw4hKESSL__SL160_佐野さん1年5か月振り11作目、オリコン17位を記録。佐野さんと言えば、自分の中では"Someday" "So Young" "約束の橋" とかも好きなんだけど、最初は渡辺美里との企画デュエット"Home Planet -地球こそ私の家-" のほうが思い入れがあって、次いで前作Fruit だったりするんです。特にその中の"経験の唄" が好きで、CMに当時革新的にメジャーリーグで活躍してた野茂さんが出てて、そのバックに流れてて、ジーンと来てたんですよね。アルバム全体、凄い好きなんでいずれ取り上げたいと思いますが、今回は佐野さんのこのアルバムをなんとなく聴いて、良いなぁと思って(ほんと昔は色々買いまくってたなぁと、そんなCDがいっぱいありすぎる…)。アルバムの背景を知って今回さらにビビビと来たんですが、Janis Joplin を初期手がけたJohn Simon が手掛けているという、そしてHKBと共に織り成すアメリカ録音。いやー、これだけでしびれます。

1. 逃亡アルマジロのテーマ (Instrumental)
ブラックシネマ風のさぐり探り、不穏な感じ、効果音なんかも抜き足差し足具合で、正に逃亡者、2分半インスト


2. ヤング・フォーエバー
1stシングル、オリコン39位を記録。彼らしい疾走感あるロック、純粋にカッコイイ!歌も声も歌詞も演奏も、いやー最高な大人ミュージック


3. 7日じゃたりない
ふわっとした声の鳴らし、当時ならでは。強すぎもせず、聴こえ過ぎないわけでもなく、サウンドのポップカラーにゆったり。ロックの通いもありつつ、歌詞の遊びで楽しく弾け
4. マナサス
流れるように、凄くシームレスに進行する曲。そこにドライに分かりくい感じで乗せられていく歌詞、落ち着いたグルーヴ、気持ちよし!
5. ヘイ・ラ・ラ
青春ブリティッシュロックのような、ミディアム、歌詞も柔らかく、しっかりリリックを刻み、サウンドの安定感と、ほのぼの感
6. 風の手のひらの上
ピアノが映える、そして季節や景色が浮かぶようなロマンティック。不器用な感じもするけど、健やかなロック。歌詞アイテムあれこれ、面白い伝い
7. ドクター
2ndシングル、オリコン93位を記録。50年代ロカビリーあたり意識かな、それでいて浮ついたような歌唱が何とも斬新すぎる。凄くプカプカ歌われて、ファルセットとの対峙というか
8. どこにでもいる娘
アコースティック主体にも、だいぶ即興風且つ小さいな世界を表現、サウンドも仄かにあれこれバックアップの3分弱
9. 誰も気にしちゃいない
ラヴソングを多々ロック多種アプローチで伝えていくような展開、フォーク要素あって、低域もしっかり響かせながら、純なポップフィールドを感じるなぁ
10. ドライブ
カントリーロック風、ドライヴというより会えない距離・会いたいための距離を音と歌詞に込めているような、淡々と聴けるエナジー
11. ロックンロール・ハート
彼の切なる思いを、恥ずかしさを隠すように音に乗せて、ホワワーンと届ける、でも熱が秘めてて面白いんだよね


12. ズッキーニ~ホーボーキングの夢 (Instrumental)
ラストは、映画のオープニング、エンディングのように、インスト。サウンド的には70年代前半あたりのソウルが含まれているよう、サウンド陣楽しそうだなぁ

12曲・52分弱、全体を通して聴ける熱量だったり思いが、案外半端なく届いて心地よい恋愛アルバム。でもロックに追及して、新たな境地へ向かっているようでその勇ましさたるや半端なし。80年代からの孤高のアーティストって、アルバムに込めてくる思いが凄まじいので、シングル単品じゃ伝わらない魅力が、全体を通して受け取ることができました、こういうサウンドもたまにはいいなぁと。

BARN TOUR’98-LIVE IN OSAKA [DVD]
佐野元春
エピックレコードジャパン
2000-11-01

THE BARN
佐野元春 and The Hobo King Band
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1997-12-01

THE BARN [Analog]
佐野元春&ザ・ホ-ボ-キング・バンド
インディペンデントレーベル
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