41tIMZeOmoL__SL160_ボイセズ・オブ・イースト・ハーレム、デビュー作。日本でも1999年に国内盤になっていたり、今でも結構な頻度でリイシューされてるけど、自分は2007年(だっけな)、ボートラ三昧でリリースされた本作が話題になって買った流れです。Elektra Records からのリリースで、当時から結構マニアックに、大きなキャパも沸せていたようで。20人ともなるシンガーの集まりたるや偉大だし、後にDonny Hathaway, Curtis Mayfield なども関わるほどでソウル史にいおいては黒く輝いている逸材。

1. Right On Be Free
2ndシングル。躍動するソウル・ファンクに、クワイアのように声を畳みかけ、リードの深い、まるで軽快なEtta James であるかのように折り合って、相当にぶっとんでる


2. Simple Song Of Freedom
ソウルというよりゴスペルかな、サウンドの躍動は最高潮。クワイアはちょっと声はそろってるというよりも自由。アドリブ含め、リードの声はみだれても自由にハツラツ
3. Proud Mary
Ike & Tina Turner でもお馴染み、クワイア+男性リードという新鮮さ。音もかましすぎず、クワイアが元気!ドラムも光ってる
4. Music In The Air
ドラミングとベースで音をキメて、力強いクワイアで進行する、いわば力づくの曲、ゴスペルの底力
5. Oh Yeah
展開的に普通にゴスペル、こういうのが多種な音に混ざって食い入ってくるから面白味、でもドロドロしすぎず1分半で終了
6. For What It's Worth
ミディアムサウンドながら、しっかりインパクトを残す腰を据えた感じがクール。オルガン、テクニカルなベースライン、ワサワサと渦化のクワイアも的確に
7. Let It Be Me
濃いんだけど、揺らめきも秘めていて、メロディを堪能しながらオルガンディープソウル。クワイアのナチュラルさ、凄い伝う
8. No, No, No
1stシングル。ゴスペルポップとしての明るみ、合唱にも近いメロディアス、無難で自分は濃いほうが好きだなぁと比較ができたけど


9. Gotta Be A Change
ワウワウとしつつも、深く、つかみどころというより、エモーショナルにもロック要素も。ソウルなんだけど、ジャンル飛び出し
10. Run Shaker Life
ラストは、ファンクにも7分近い尺でじりじり展開。だいぶ、荒れたヴォーカル、そこに支える音とクワイアの熱さが妙にハマる

<Bonus>
11. Oxford Town (Remastered Single Version)
1971年のシングル。ずんどこブラックソウル、シャウト系な高域とかも萌える。シリアスと衝動のハザマ


12. Sit Yourself Down (Remastered Single Version)
意外な進行。さっくり進んでいく、コーラスも薄め、淡々とヴォーカルグループ一員のように歌い上げていく男性リード、まるでMJ抜きのジャクソン5のよう
13. Nation Time
テンポは速いけど外野は薄めに、畳みかけるロック的に。だいぶ気持ちよく転がっていき、確信犯、表現上手いなぁ
14. I Wanna Be Free
ご機嫌に奏でていくオルガンソウル、12曲目にも近いけど、さらに盛り上がりよりも一体感・グルーヴをもって粛々と
15. Hey Brother
音は安定感、心の叫びに近いものを奏でていくような女性主体のクワイアにて、だいぶ力強く伸びやか
16. Love Is The Answer
60年代後半のソウルのような、かなりご機嫌に響かせていく頼もしさ、安定感あるよなこのチームは
17. Kind Woman
ゆったりデュエット、これまでからしたら風変り。ゴスペルにならず、どこか甘茶な感じも受ける、でも男女共演。しっぽり秋風
18. Angry (Remastered Single Version)
怒りというよりは男性主導に野太いコーラスを従えて女性がリードという編成、女性クワイアも入るけど層が厚いなぁと
19. (We Are) New York Lightning (Remastered Single Version)
前曲の流れにフィットするような重たさ、音は更にCurtis Mayfield のような颯爽さと美しさの混じり、すてきだ
20. Run, Shaker Life (Live at the Soul To Soul Festival)
ここから2曲はライヴテイク、かなりアグレシッヴに燃え盛っているようでアガル!本編10曲目と聴き比べると面白味
21. Soul To Soul (Live at the Soul To Soul Festival)
まるでライヴタイトル曲、MCからの紹介を受けてグルーヴィーに、ライヴだとハーレム的な感じよりもどっしり

本編10曲・36分、ボートラをドカンと11曲追加でおよそ倍となる72分のボリュームに!いやー、凄い濃いけど、どれも新体験という感じの旨みが詰まったアルバム。本編だけでも相当に素晴らしいパッケージだったけど、全体を通してまるで2枚組と思えるような内容で、目が覚めました!これは今でも古さがないから、語り継がれるのも納得。

ライト・オン・ビー・フリー
ザ・ヴォイシズ・オブ・イースト・ハーレム
ワーナーミュージック・ジャパン
2014-01-29

Right on Be Free (CD-R)
Voices of East Harlem
Tartare (CD-R)
2010-10-26

Right on Be Free [Analog]
Voices of East Harlem
Hi Horse Records
2012-05-15