51z3NrUrV7L__SL160_O V ライト、1965年のデビュー作から13年、1年振りとなる8作目(チャート圏外)。自分は、彼の名唱をソウルバーで知って、Live In Japan のCDを買って虜になった大学生の頃。この2年後には41歳の若さで他界されてしまうのですが、ほんと伝説と化した記憶に残る孤高のソウルシンガー。自分は、国内4枚組CDボックスも、リイシューされた5枚組CDボックスも買った隠れたファンだったりします。オリジナルはジャケに惹かれるものはあったものの買ってなかったものも多いので、今回改めて(アマゾンプライムで2枚聴くことができるので拝聴)。

1. The Bottom Line
タイトル曲、時代は変わっても変わらない、彼が紡ぐソウル。ホーンだったりコーラスだったり支えあって、彼のキュイーンとする繊細でふわっとしたヴォーカルがたまらず


2. I Don't Do Windows
1stシングル、R&B91位を記録。彼にとって最後のチャートイン曲。やや軽快に、ほんと当時39歳と思えないほどにいぶし銀のヴォーカル、ねっとりしてて、口先で、でも喉から伝う迫真、人間味。かなりの高テクニックにて歌唱、コーラスが微睡みをくれ、なんかホンワカ


3. That's the Way I Feel About Cha
Bobby Womack カヴァー、苦しそうだけど、上質なん演奏に混じって、どこか大らかな曲に聴こえてくる。ボビーと異なって不器用で、でも真摯で、味わいがあるなぁ
4. Your Good Thing Is About To End
しっとりと、諭すように、そして声がこぼれるように、メロディがちょっと不穏なんだけどそこに惹かれるんだよなぁ
5. Let's Straighten It Out
ピアノの跳躍が気持ちよく、ホーンもしなやかに挿入されたりと、かっ飛ばすようで案外声は消えていく感じで、そのどうしようもない感じが萌え
6. I Don't Know Why
B面、よりスムースに心地よく、時代をまとった感じも若干受けるし、歌唱含めて、進化があるなぁと。ちょっと煌びやかなイメージは賛否かな
7. No Easy Way To Say Goodbye
ファルセットを軸に、悲しい雰囲気の全体。ピアノが慰め、シンセが背中を押してくれる感じ、精一杯に出せる声で応戦
8. A Little More Time
そーっと歌われ、優しさ、美しさの結晶。朴訥としてて、まっさらな気持ちになるというか。ソウルだけど、凄いナチュラルにおとなしめに
9. Since You Left These Arms of Mine
平静を保ちつつも、振り絞るような思い、歌にホロリ。熱量よりも、情熱が素晴らしく、演歌的なこぶしもぐいっと
10. A Long Road
この曲だけは印象が異なる、あっけらかんとした中に、相当肩の荷を下ろして歌われているようで、救い出し、ひいきなしに乗れる。オルガンの明るみも効果

10曲・38分程、他に及ばない、素敵なシンガー、アルバムだなぁと改めて。塩辛くも、彼の優しさだったり葛藤が本当に歌に表れてて味わいが高く。この2年後に亡くなるのが残念で仕方ないんだけど、このジャケだったり、アルバムの流れだったり、彼の思いが二重分にパックされてて、堂々たる作品だなぁと。

Bottom Line
O.V. Wright
Fat Possum [Old]
2009-08-04

ザ・ボトム・ライン
O.V.ライト
SOLID
2012-05-23