71SSlZ9P8SL__SL160_Janis Joplin が在籍したビッグ・バンド・アンド・ホールディング・カンパニー、1年振りの2ndは、前作での中ヒットがウソかのようにR&B7位・POP1位の大記録(前デビュー作はR&B28位・POP60位)。個人的には白人ながら、R&Bヒットを飛ばしているのが注目どころ。本作以降、ジャニスはソロに傾倒しつつ、死後グループとしての作品が出たりしているけど、ジャケにしても、歌にしても、ソウル史には欠かせなさそう。最近になってようやく本作の存在を知ったんだけど、名曲"Summertime" なんかはココに入ってたんすね、ワクワク。

1. Combination Of The Two
2ndシングル。雑踏の情景、ライヴ臨場感からのスタート、ライヴ盤ではないけど敢えての施策。厚めのサウンド、ジャニスの解き放たれたような歌唱、豪快さが良いなぁ、脇も結構じっくり固めてくれてるし


2. I Need A Man To Love
切々と歌い、シャウトが絶頂。周りも激しさある感じだけどジャニスの存在感がその全て。こんな発声があるんだという発見だったり、音自体はブルージー
3. Summertime
George GershwinPorgy and Bess より。この名唱はジャニスに尽きるなぁと、寂し気な演奏を打ち破るような凄み。高域擦れたハスキー、そこに乗っかるギターが情緒深く


4. Piece Of My Heart
1stシングル、POP12位を記録。Aretha Franklin 実姉Erma Franklin が前年に放ったヒットシングルのカヴァー、それぞれ魅力が違うけど、豪快に積み重ねる歌いっぷり、黒さよりもロックの厚手


5. Turtle Blues
ジャズクラブで歌っているような、小編成。ジャニスって、こんな洒落た感じの演奏をバックに歌ってるのは珍しいかも。鳴らす声は変わらず迫力維持
6. Oh, Sweet Mary
ジャニスよりも、グループとしてのバンド感が優勢に立つ曲。生身という感じで、かなり雑多な印象
7. Ball And Chain
Big Mama Thornton カヴァー、ハイライトとなるべく10分近い尺を取られて展開される、こねくりまわしたかのようなロッカブルージー。心の内を儚さを纏いながら泣きの歌唱

<Bonus>
8. Roadblock (Studio Outake)
淡々と進むんだけど、その力量パワーたるや飛びぬけてる。スタジオでのお蔵入りとは…いかに常に真に迫っていたか
9. Flower In The Sun (Studio Outake)
これも凄いパワー、奥底から目覚めたような、でも声がだいぶ踏ん張った感じで荒れ狂った感じではないのが貴重
10. Catch Me Daddy (Live)
ライヴでこそ彼女の魅力は発揮されるよう、とにかくドス黒さが激しく夥しく。豪快な進行にも休むことなく突き抜け
11. Magic Of Love (Live)
テンポ落ちつつも、まだまだ豪快に。演奏のテクニカルな部分が惹きだけど、ジャニスも負けんとここぞとエネルギーを注入、にしても歯切れ良すぎる

本編7曲・37分超、ボートラ4曲追加で計55分半。グループとしてのジャニスも、当時の音楽において相当な殴り込みだったと思います。今までにない女性ロックの活躍、それもぶっ飛んでるので、これは業界を面白くしたんだろうなぁと。好みで言えばソロワークなんだけど、グループでの魅力、選曲もなかなかで良い歴史を知れました。

Cheap Thrills
Janis Joplin
Sony
1999-09-02

チープ・スリル
ジャニス・ジョプリン
ソニー・ミュージックレコーズ
2000-05-24

Cheap Thrills
Janis Joplin Big Brother & The Holding Company
Music
2014-10-23

3 Pak: Cheap Thrills / Ol Kozm
Janis Joplin
Sony
2000-01-20