R-1028476-1434482915-6523_jpegフィニッシュド・タッチ、モータウンから1978年リリースされた本作+若干のシングルをもって自然消滅してしまった…何とも惜しい…。ロサンゼルス出身5人組グループ、これまで世界的にもCD化がされていないのですが、いずれこのような隠れた傑作は再評価されるに違いないと、勝手に思ってます。デビューした時代が良くなかったね、きっと。ソウルなどは完全に埋もれてしまう時代とて、ジャケなんかを見ると躍動があるものの、モータウンでディスコは異色だし、やっぱり不運のお目見えだったような。

1. Need To Know You (Better) (ft. Kenny Stover)
タイトル曲、ミディアム路線で、だいぶ躊躇い・探りの進行。コーラスの汲み方も独特。男性リードで、アルバム
中間にありそうなマッタリ。音は洗練もインパクトは後手
2. I Love To See You Dance (ft. Kenny Stover)
1stシングル、疾走感あって当時のディスコに殴り込みも、ちょっと華麗さが邪魔して勢いを削いでいる印象も。女性も男性もコーラスが斬新だったり、フュージョン部も多く結構斬新な構成


3. Trying To Kick The Habit (ft. Harold Johnson)
疾走感を最後まで維持してご機嫌に3分弱を駆け込む、でもメロディというよりもインタールードにも近いくらい連呼
4. Dancin' On (ft. Michael Sutton)
ゆったりR&B・優しいソウル路線。ポップも見据えているかのように。ヴォーカルのAOR度、モータウンにしては迷走しているなぁというのが浮き彫りかも
5. Sticks And Stones (But The Funk Won't Never Hurt You)
2ndシングル、R&B88位を記録。彼ら唯一のチャート作品、出だしの笑い声などからも、相当リラックスして制作。ファンクなのか、穏やかなポップなのか、ジャンルよりも企画物の臭いが強く


6. New Frontiers
弾けは良し、そして情景も良し。と思いきや、延々演奏。そう、フュージョンでした。お洒落ジャズ路線。アルバム中最長の5分半超え、この展開は斬新
7. Sunshine Love (ft. Brenda Sutton)
温かでグルーヴィ、相当にフリーソウル極めてる感じ。音ウキウキ、コーラスの入りもなかなか。歌が絶妙に薄いので、前曲に毛が生えた感じでもあるけど
8. You Dance Into My Life (ft. Harold Johnson)
1stシングル12" ver.B面、3曲目にも似てディスコ路線で、でもちょっと不思議なリズムかも。苦しそうな高域は、数曲歌物が少なかっただけに聴きどころだけど、微妙なチグハグ


9. Mighty Good Friends
ブギー・ファンクなんだけど、ここまでで彼らは何路線なのか、どこに向かってるのか、実験的なのが分かる。完全フュージョン、演奏わるくなく、心地も抜群だけど
10.Strokin' (ft. Kenny Stover)
1stシングルB面、ラストは薄ら控えめなソウル・ディスコに、スキャットを交えながらも、やっぱりフュージョン・そして民舞みたいな印象も


10曲・39分、全体的にはかなり実験が詰まっているなぁと。自然に最後まで聴けるアルバムなんだけど、時代を思うと、相当にめちゃくちゃに内容を進行しているなぁと。そして、何をウリで勝負していたのかも分からないんだけど、モータウンは何かの打開として彼らを遊ばせているというか。でも、骨が無い気はする。楽しさはある。ん〜、併せて当時シングルオンリーだった曲なんかも詰めてリイシューされたら面白そうだなぁ!

Finished Touch Ft Kenny Stover
Motown