プリンス、前作から1年振りとなる新作はR&B7位・POP70位を記録。前作はリリースタイミングが相当空いたので、本作・そして既に先に取り上げた2ヵ月後リリースのパート2に至るまで、現在創作意欲は再びすこぶる状態なんでしょうか。アルバムの評価も高いようで、でも相変わらずネット上の音源拡散にはデリケートで(自分としては大事だと思うけど、無料試聴は最近ウェルカムだったり)、なかなかレビュー上共有はできませんが、つらつらと。1. Million $ Show (ft. Judith Hill)
スーッと始まる出だしあれ、ゲストヴォーカルのジュディスの凛としたヴォーカルが勇ましく、下地をダンサブルに展開する殿下のヴォーカルは流石だし。終盤結構刻む殿下、ゲストに依存して面白い仕上がり
2. Shut This Down
強めのアタックに、たまに可愛らしいヴォーカル。殿下らしいアップダウン。基軸はゴリゴリ押し続ける勇ましさ、テクノロジーファンクとでも言うのかな、意気にアメリカの現在に殴り込み
3. Ain't About 2 Stop (ft. Rita Ora)
前曲のファンクを更に高嶺に、シリアスなロックアプローチってのが強いかも。重たさもあるけど、裏で微かにリタ・オラが成分の提供。小刻みなファンクだったり、全体で相当灰汁が強いものに
4. Like a Mack" (ft. Curly Fryz)
パーティ仕上げな印象もあるけど、そこが彼らしい施策。ヒップホップ主体に、楽しませつつも、熱烈に歌を紡ぎ、総じて異なる伝いを演出
5. This Could B Us
3rdシングル。ミディアムスロー、重ためながらこれをシングルで持ってくるあたり斬新の塊。なだらかに効果的にファンクなギターを入れたり、彼らしい節は沢山
6. Fallinlove2nite
可愛らしいヴォーカルで攻める定番殿下、ハウス調。曲自体は的確に真っすぐに。80年代なんかも意識されてそうだけど、アルバムにおいては雰囲気をガラリと変えるのに一役
7. X's Face
スペーシーにうねうねと、DJ Khaled のように低域でデジタル化。ドラムンベースとでもいうか、曲間の繋ぎのような2分半程
8. Hardrocklover
2ndシングル。前曲からの繋がりが絶妙に、しっぽり。物凄く静かな世界に、言葉を乗せる殿下、徐々に広がる切り開く自己というか。ギターのうねりなんかも後味
9. Mr. Nelson (ft. Lianne La Havas)
前曲の終わり方が斬新だったけど、こことの繋がりは絶妙。Santanaフュージョンのような、延々音で広げる哀愁。2分半で終了し―
10. 1000 X's & O's
斬新にも世界は変わり、しっぽり。軽いラップを披露しつつ、後半は若干アタックの強い発声もあるけど、全体は静か目に
11. June
ほんのりした感触を受けつつ、ラストは丁寧に実直に、柔らかに優しく。余韻を受け取れる健やかさ
11曲・38分、曲毎にも短くあっという間の展開。繋ぎなんかを意識され、アルバムとしての旨みを堪能できるのが面白いなぁと。これが殿下の底力って感じもします。特に、美しさたるや、更にはデジタル技術もうまく取り入れながら、温故知新、まだまだ巧みに変化し続ける殿下、凄いなぁと。
<過去レビュー>
1988年 Lovesexy
1989年 Baddance
1991年 Diamonds & Pearl & The New Power Generation
1994年 Come
1994年 The Beautiful Experience
1995年 I Hate U
1996年 Chaos and Disorder
1999年 The Greatest Romance Ever Sold
1999年 1999 - The New Master with The Revolution
1999年 Rave Un2 The Joy Fantastics
1999年 Rave Un2 The Year 2000 In Concert DVD
1999年 The Valut... Old Friends 4 Sale
2010年 20Ten
2014年 Art Official Age
2015年 HITnRUN Phase Two

