414EAXGVEHL__SL160_プリンス、2003年リリリースはアリスタからのメジャーリリースから2年振りに放ったThe Rainbow Children から、更に2年振りとなるフィジカル盤でのリリースは、何ともメッセージ性の強そうな作品。ジャケはデジパックなのでレコード会社的にはしっかりリリースされているけど、内容たるもの、4曲×きっちり14分ずつという収録で、いずれもインスト、フュージョン。更には季節ごとに、北→東→西→南と曲を変えていく趣向作。もう、よくわからない状況で、旧来ファンでも手をつけなくなってきたファンも多かったころ。実際、チャート圏外だし、この作品の前にはデジタルリリースのみでOne Nite Alone... 、更にはXpectation などをリリースし(この頃のデジタルの動きは早かった殿下)、すべての作品をよっぽどの熱狂的なファン以外は手にせず、という状況だったのが分かる感じで。自分は本作においては国内でもリリースされてたこともあって、買ってはいましたが印象に残ってなかったですね〜。

1. North
じわじわ聴かせる感じで、後半のちょいアツの演奏を除いては、だいぶジリジリと堪能せざるを得ないというか、アートの世界。ジャズというにも、かなり流れは渦巻き過ぎだし、14分に及ぶ相当に彼のクリエイエィブが惹きだされた、今までにない世界
2. East
前曲ではスローリーな感じもあったけど、だんだん躍動も出てきて気持ちよく跳ねてて、自由なジャズそのもの。なんだろ、ここに来て思ったのは北は寒さのイメージ(単純だけど)、東は陽も出てワクワクしてくる感じ?後半は微睡みを帯びたかのような一転
3. West
だいぶアッケラカンとした感じに転じて、彼らしい緩いファンク。ギター、ベース、シンセ、それぞれが個性的に。今にも殿下が歌いだしそうな演奏そのものなんだけど、じらされてるのか、それとも、これが彼にとっての“西”を表現する音そのものなのか、案外謎です
4. South
“南”は民族的というか、中東とかそっちの世界、仏教とかイスラムとか、そういうのを彼なりに音にしてるのかなぁと捉えてみたり。でも、何か違うかな、どことなくずっと響いてるんだけど、しれーっと染みわたるように、的確に、サイケに、エキセントリックに、軽やかなんだけど、終盤なんてクールダウンして更に意味が分からないけど、ミュージカルとかならアリなんだけど、音だけだとやっぱ難解


4曲・きっちり56分。何とも賛否ある作品ですが、インターネットだけで3万コピー売れたのは良かったのか、どうか、の時代。グラミー賞にてBest Pop Instrumental Performance を獲得してたり、通からすれば素晴らしい作品なんだろうなぁ。ただ、自分としてはプリンスの奏でるインストとして聴くと味は出てくる気がするんだけど、じゃなかったら普通にBGMとして消えていくような作品。でも、プリンスは色々と試して、世に放って、戦ってたんだろうなぁと。凄いアーティストってのは改めて実感しております。

<過去レビュー>
1988年 Lovesexy
1989年 Baddance
1989年 The Scandalous Sex Suite
1991年 Diamonds & Pearl & The New Power Generation
1994年 Come
1994年 The Beautiful Experience
1994年 The Black Album
1995年 The Purple Medley
1995年 Gold R.I.P Prince (1957-2016)
1995年 I Hate U
1995年 The Gold Experience
1996年 Chaos and Disorder
1999年 The Greatest Romance Ever Sold
1999年 1999 - The New Master with The Revolution
1999年 Rave Un2 The Joy Fantastics
1999年 Rave Un2 The Year 2000 In Concert DVD
1999年 The Valut... Old Friends 4 Sale
2004年 Musicology
2007年 Planet Earth
2010年 20Ten
2014年 Art Official Age
2015年 HITnRUN Phase One
2015年 HITnRUN Phase Two

N・E・W・S
プリンス
ビクターエンタテインメント
2003-11-21

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2003-07-29

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