31voVw55zOL__SL160_プリンス、前作Earth Planet から1年9ヵ月振りの作品は、1998年Crystal Bowl、はたまたライヴ盤だったら2002年One Nite Alone... Live! / One Nite Alone... The Aftershow: It Ain't Over!以来となる超大作、実に3枚組で、R&B1位・POP2位を記録。今回はそのディスク1を取り上げてみます。ディスク1-2が殿下名義で、デイスク3はBria Valente なるシンガーの完全フルオリジナルとのコンバイル、実に斬新な形態のリリースも、殿下だったらアリと普通に頷けてしまう状況。

1. From the Lotus...
上質なトリオ演奏みたいな、ジャズのようで、ブルージーで、1曲目はアルバムの印象を色々と想起させくれる3分弱のインスト
2. Boom
ふわっと粒な感じのヴォーカル、弱く歌われ、演奏も非常に繊細に感じる。でもギターを強く若干入れたり、オートチューンだったり、絶妙な3分程
3. Crimson and Clover
前曲と繋がって、UKロックのように、ミディアムスローバラード調に。抑揚あったり、重低音良かったり、曲というよりはメッセージの繋ぎ。演奏多めに
4. 4ever
カントリーロックぽく、起承転結、そして後半のクールダウンなんて美世界。切々と歌う殿下に涙、それでいて荒げた部分も多く詰めていてアガル!
5. Colonized Mind
今回、だいぶ今までと異なるどっしりした作風だなぁと驚かされるんだけど、R&Bってよりもポップロック。更にはブルージーにカントリーに、ジャーニーって感じ。なんだろ、ツインギターの感じとか、これをR&Bとしてヒットさせてくる辺りが変態
6. Feel Good, Feel Better, Feel Wonderful
音自体は70年代ファンク、ホーンの感じがJB、渦のようなヴォーカルは殿下ならでは。安定感あるクラップファンク!スキャット的なリズムも最高
7. Love Like Jazz
完全にまんまジャズ、そこに殿下ならではのロック要素がユラリ乗っかって気持ちよい空間に。あっけらかんとした創りも流れ的にフィット
8. 77 Beverly Park
なんとも、哀愁と青春、そして心が憂うような、清らかになるような純白さ。シャララン、インスト、超スローに夢寝見
9. Wall of Berlin
不規則ぽいサウンドに楽しげに、そしてテクニカルに歌う殿下は凄み。派手さはないんだけど、術の凄みに溺れるように
10. $
声を高らかに、上っ面に、メロディアス、そして攻勢に、殿下のキュートポップ炸裂。結構美世界多かっただけに崩してくれてサンキュー
11. Dreamer
エッジを利かせてミディアムロック、痛快に掻き鳴らす殿下の本領発揮。アルバムハイライト、歌じゃなくて演奏のてっぺん
12. ...Back 2 the Lotus
流れ継ぎつつも、1曲目のタイトルのように、歌というよりもメロディをあれこれ貼り付けたような進行。エンジンダウンのように、5分超、斬新な音がどこまでも充満


自分が取り上げたフィジカル盤は12曲・48分半、デジタル購入だと3曲が"Morning After" って曲に差し替えられて12曲・47分弱といった仕上がり、不思議に面白い施策。本作、話題になったし、ヒットになったけど、こんな凄い難しい作品が、病みつき作。ぶっ飛んでます。理解よりも、なんかハマる、旧来プリンスファン。いやー、なんか音って尽きないなぁと知らしめてくれます、耳が肥えます。

Lotusflow3r
Prince
Imports
2009-05-05

Lotusflow3r
Prince
Warner Music France
2010-09-20