415soDmny8L__SL160_ミキ・ハワード、1年3ヶ月振りの5作目は企画アルバムとしてリリースされ、これまでのランクを大幅に下げることになるR&B72位を記録。最近になってミキのことがFacebook に出てて、嗚呼、なんか聴きたいなぁと想い。実際、以降のミキは本作のような落ち着きに撤してチャートとはあまり無縁になっているけど、1993年に本作を出していたことに彼女の音楽への立ち向かいが伝わるなぁと。

1. What A Little Moonlight Can Do
ビッグバンド風に、楽し気なサウンド。頼もしいヴォーカル、本家とは異なるパワフルな豪快さに圧巻


2. I'm A Fool To Want You
憂いのスロウ、息遣いからして、Anita Baker 的に凄い魅惑のヴォーカル。表現の波、うねり、タマラン!!ほっとするようなジャジー・メロウなサウンドとの相性もバッチリで
3. My Man (Mon Homme)
息遣いからして、声質は違うけどCeline Dion, Whitney Houston くらいに腹式に強いものも感じる。それでいて、ルーツに近いジャズをほんと豊かな包み方で仕上げてくるなぁと
4. Solitude
ストリングスでゴージャスに、でも滑かな美しさ。クリスマスソングのような、平和に心を落ち着ける、安らぐよう
5. 'Tain't Nobody's Business If I Do
1曲目にも近い楽しさ、彼女は曲によって本当に色々な歌い方にチャレンジしてるなぁと。ゆえにビリーの曲ではありつつ、完全にモノにしてる


6. Yesterdays
アップダウンにて、難しいサウンド。でも、実に優雅に、実に迷いなく独自の展開を消化。素晴らしい2分
7. Now Or Never
スモーキーなヴォーカル、でも歯切れよく進行して不思議なグルーヴ。昔の楽曲でも今に新しさを伝えてくれるような歌唱、音もすてきにサポート
8. Don't Explain
一風変わった出だしから、切なさと冷たさと、だんだんと温かさも生まれるような極上。演奏のふくよかさも伝い、寄り添い度抜群
9. Strange Fruit
なんか重たさ一杯、渦巻くもの多い中、独自の強弱を魅せる曲。ミキの表現の幅が広すぎて、ミュージカルを堪能しているほどの気分
10. I Want To Be Your Mother's Son-in-law
ラストは軽快なステップ、演奏も実に幅を利かせてくれているし。豊かに鮮烈に。声のアレンジがBette Midler みたいで、面白味

10曲・37分半、ビリー通りの古いアレンジではなく、今でも十分新作として対峙できるほどの明らかな、そして輝いた作品。ミキの器が十分に発揮されているし、プロデュースも見事に放たれている。ジャケからすると、きっとオールディーズ、っていう止りだけど、本当にキレイに輝いてて、これは惚れ直す作品、色々と魅力!

<過去レビュー>
1987年 Love Confessions
1989年 Miki Howard
1992年 Femme Fatale
1996年 Can't Count Me Out

2007年 Remixed & Reimagined Billie Holiday


Miki Sings Billie
Miki Howard
Warner Bros / Wea
1994-01-11