R-1329137-1287336817_jpegテンプテーションズ、10ヶ月振りとなる通算20作目のオリジナルアルバムで、R&B13位・POP40位を記録。ただし、デビュー作とクリスマス作を除き、R&B10位を割り込むのは本作が初、更にデビュー作を除けばポップチャートも最低順位(当時)。彼らはソウルには偉大なグループで、たいていこの時期まではR&B1-2位が当然のモンスター。時代にやられ、葛藤が始まる時代。特に、本作は今だ未CD化。みずれ実施されるかもしれないけど、JBやアレサ同様に、この時期のソウルを基盤にしたシンガーたちは相次いで苦戦…。

1. Keep Holding On
1stシングル、R&B3位・POP54位を記録。パーティ感はたっぷり、疾走感も良くて、当時のソウルを切り開き、ファンク・ディスコへ時代は移り変わっていくのが伝う。テンプスの覇気は、新たな音に気持ちよく融合して頼もしく。シンセのオチャラケがいただけないけど


2. It's Just A Matter Of Time
ふわっとした中にもアグレッシヴな音。声の生み出し方も、新しさを追求しているようで興味深い。全体にはオールディーズ感があるので、彼ららしさは維持で
3. You Can't Stop A Man In Love
出だしの鳴りから興味深いけど、古臭さも残るのが本作。キーンとするようなストリングス風に、荒れるヴォーカルとの声ファンク。ファルセットも効果的にうねり
4. World Of You, Love And Music
曲として熱くなる、デニスのヴォーカルも音にうまく溶け合って気持ちよい。コーラスも丸みを帯びて、滑らかに(癖はあるけど)
5. What You Need Most (I Do Best Of All)
テンプスメンバー総出で制作されたA面ラスト、コーラスも彼等ならではだし、平和な音色がミディアムに跳躍
6. Ways Of A Grown Up Man
洗練されたギター、ドラムをイントロに、ワクワク想起な煌きとジワジワ。低域もじっとり効かせて、ディープさ全開
7. Johnny Porter
声の不穏な感じ、ディープさ混じり、声のズレ重なりなど趣。不思議な空気に包まれつつ、ホーンの豪快さは痛快
8. Darling, Stand By Me (Song For My Woman)
幸せな感じはあるけど、押しは弱く。ストリングスもあるけどシンセもあり、豊かか荒いのか、それが交互に訪れるようで
9. If I Don't Love You This Way
ラストはJackson 5 カヴァー。安らぎのニュートラル、スムースなバラード。特に息の合ったコーラス、それをベースに自由に歌うようなリード、これぞテンプスのバランス感


9曲・34分半。総じて、単純に時代にマッチしなかったんだろうなぁと。勢いは確かに落ちた気はするかな、前作までは、これっていう鉄板の曲を用意してたけど、シングルにしてもアルバムの流れにおいても、どこか消化に走っているような流れ。だったら当時新進気鋭なアーティストにファッションは移るのも分からなくはないかなぁと。

<過去レビュー>
1964年 Meet The Temptations
1965年 The Temptations Sing Smokey
1965年 The Temptin' Temptations
1966年 Gettin' Ready
1967年 Live!
1969年 Cloud Nine
1969年 Puzzle People
1970年 The Temptations Christmas Card
1971年 Sky's The Limit
1973年 Masterpiece
1973年 1990
1975年 A Song For You
1978年 Bare Back
1980年 Power
1980年 Give Love at Christmas
1982年 Reunion
1984年 Truly For You
1985年 Touch Me
1987年 Together Again
1995年 For Lovers Only
1998年 The Temptaions The Original Mini-Series Soundtrack (OST)
2001年* The Christmas Collection
2007年 Back To Front
2010年 Still Here
20xx年 Live at Casino San Pablo ft. Dennis Edwards