519jUmPSDiL__SL160_ヴィッキー・アンダーソン、コンピレーション集を紹介。彼女と言えばJames Brown メンバーとして活躍し、多くのシングルもリリースしてきました。それらが、レアにも1枚に纏められたとあって当時リアルタイムにて購入したCDです。今までは流して聞いてはいたのですが、1曲目でふと発見!この模様がAretha Franklin & Whitney Houston "It Isn't, It Wasn't, It Ain't Never Gonna Be (Remix)" の出だしに使用されているものじゃん!と。すっかり、その声とてホイットニーと思ってたら、なんともヴィッキー。やってくれます(でも、嘗てチャートヒットなんだから惜しすぎる)。

1. The Message From The Soul Sisters (Parts 1 & 2)
1971年シングル。先に書いたけど、これが彼女全盛期に録られてたと思うと、凄いなぁというクオリティ。本編は正にJB節って感じの緩いファンク、ピアノの跳躍がいい感じだよなぁ。あとはキーンとする高音も病みつき


2. Super Good (Answer To Super Bad) (Parts 1 & 2)
1970年のシングルより、サブタイトルにもある通りJBの"Super Bad" へのオマージュ。JBのフックも裏で少々聴けるし嬉しくなる。中域は結構さらっと歌うのも特徴


3. I'm To Tough For Mr. Big Stuff (Hot Pants)
1971年シングル。次はJB "Hot Pants" へ歌う感じで、でも呟く感じのヴォーカルが興味深い。でも中盤以降結構高らかに、演奏が濃くなく聴きやすく
4. Answer To Mother Popcorn (I Got A Mother For You)
1969年シングル。お次はコンピタイトル関連、マザーポップコーン!序盤ゆったりしたヴォーカル、セクシーにも。でも高域パンチでればお手の物、彼女のパワーは演奏が淡々としてても響きまくり


5. I Want To Be In The Land Of Milk And Honey
1969年シングル、序盤薄っすら歌われるので表現の幅が広いんだなぁと感心してたら爆発ヴォーカルも。ブルースとファンクが混じったようなカッコよさ!
6. If You Don't Give Me What I Want (I Gonna Get It Some Other Place)
1967年シングル、序盤からこれでもかと声を振り絞って、高域で攻めまくり。でもJBの道楽の範疇だったのか、大ヒットとかじゃなく、でも相当な実力だけどな
7. Baby Don't You Know
1967年シングル、かなり淡々と歌いつつも、的確に高域をつかんで、節々JB乗りまんまに余裕の進行
8. Think (with James Brown)
Lyn Collins もカヴァーしてたけど愛されるカヴァー、JBも加わってデュエットぽく。もう彼らの凄みが意気良く伝い。名義が前面JBだったらヒットしてたんだろうなぁ


9. Home Is Where The Hartred Is (with Bossa Nostra)
オルガンがふわりと、これまでの感じとだいぶ異なるなぁと思ったら、時代が変わって1994年の音源。でも違和感はそれほどないヴォーカルに驚き。優しさ・余裕あれ、ちょっと萎れたヴォーカルが味
10. Once You Get Started
1975年、Rufus ft. Chaka Khan での当時のヒットカヴァー。コーラスが甘いためか、ちょっと即興で創られていく感じで曲に若干負けてるかも。当時、ディスコファンクを取り上げつつも、チャカという天井をまぶしく思ってたのか。うねるファンク、どぎつい高域も健在に強さ凄いことになってる
11. You're Welcome, Stop On By (with Bobby Byrd)
1975年Bobby Womack 作、JBプロデュース。探り合ってるような感じで、なんか掴みが難しいかも。でもボビーとの共演はB級に味がある
12. Don't Throw Your Love In The Garbage Can
1972年Betty Wright も作参加、中域で確実に歯切れよく歌われ、こういうのも安定感あって良いなぁ。でもファンクというよりも休息ソウル
13. Wide Awake In A Dream
ここからの5曲は1960年代後半の曲で。まずは2曲、1966年の曲。JBが関わってるにせよ、ファンクのイメージが付いた流れには意表のしっぽり緩いスロウなソウル、波止場系


14. You Send Me
1966年発表、王道Sam Cooke カヴァー。音は良いけど、なんかメロウにヒーリング。こんな上質なヴィッキーはレアと思えるくらい大人しさ優勢
15. I'll Work It Out
ここから3曲は1968年発表、最初の語りから酔える感じ、なんか強さと女性らしさがあって、趣。でも、はみ出るような高音なんてクール
16. You've Got The Power (with James Brown)
JBは紳士に、ヴィッキーは高域を絶えず(苦しそう)、だけどその折り合いたるや、仕組まれた展開、惹き込まれるスロウ
17. What The World Needs Now Is Love
ラストはバカラカック曲カヴァー、ちょっと音が割れ目な気もするけど、勇ましく丁寧な曲も歌えるアピールかな、キンキンせず歌心。震わすような歌唱が印象的

17曲・60分。物凄いパワーを受け取れたし、何よりアルバム構成が最高でした。前半はとにかく飛ばしてくれたけど、1994年曲あたりを境にブレイクして、ゆったり聴かせる流れ。1アーティストを極めるのに、単純な年代順とかではないコンピならではの施策が成功しているなぁと。とにかく彼女を知るなら一押しのコンピです。

MOTHER POPCORN
Vicki Anderson
Soul Brother
2004-12-27

アンソロジー(マザー・ポップコーン)
ヴィッキー・アンダーソン
ヴィヴィッド
2005-03-16