グラディス・ナイト&ザ・ピップス、Soul での最終7作目・約1年半振りの通算9作目で、初となるPOP10とR&B3位内となる、POP9位・R&B1位を記録。大ヒットを記録した、言わば彼女たちを代表するアルバム。自分は2in1 で揃えましたが、彼女たちのアルバムは本当数があって、まだまだレビューしきれてませんが、ヒットした辺りから、今後も徐々に。1. Neither One Of Us (Wants To Be The First To Say Goodbye)
1stシングル、R&B1位・POP2位を記録(R&B制覇は3曲目)。優しい音に震わすようなグラディスの灯るヴォーカル、小さなバラード。サビでは中域ヴォーカル、彼女ならではの音階で堂々たる世界を披露。ピップスの温かなコーラスも見事に融合
2. It's Gotta Be That Way
Johnny Bristol 作参加、1曲目に敵うようなミディアムスロウ。呟くようにも、腹式なヴォーカルが全般で自然にソウル。ストリングスは滑らかにサポート
3. For Once In My Life
1968年 Stevie Wonder カヴァー。より呟くような独自なヴォーカルが印象的、オリジナルとは異なるヴォーカルアレンジ。後半は彼女の包容力を感じる広がりのある粋が見事
4. This Child Needs Its Father
70年代ならではのニューソウル、そして泥臭さ、でもスロウにディープに。プチファンクというか、根底の荒さは感じるかな、うねりみたいなのも
5. Who Is She (And What Is She To You)
Bill Withers 曲参加。リズムが新しいなぁと、まるで80年代突入。オルガンやギターが入ると、嗚呼70年代初期と分かるファンクさなんだけど。ヴォーカルも歌い倒すだけじゃなく、音とのアンバランスを敢えて選ぶような展開
6. And This Is Love
淡々と進む感じなんだけど、低域をだいぶ印象的に歌うような、音はミディアムで どっかに蹴飛ばしてくれるようなワクワクもあって、じらしピップスのコーラスだったり、なんだろ病みつきになるような、じりじり焦がすようなものも溢れてる
7. Daddy Could Swear, I Declare
2ndシングル、R&B2位・POP19位を記録。グラディスと、Merald Knight による共作。出だし、アコースティックに、少し早めに音を走らせて、ソウルというよりもロックアプローチが強いかな、ビートは薄いんだけど全体の攻勢は強め
8. Can't Give It Up No More
ここから2曲Johnny Bristol 共作。安らぎ、切に歌われるバラード。メロディ骨太に、でもリリック走らせる感じなのはアルバム共通。だんだんと、荒っぽさも出てくるけど、バラードの真に迫る進化中という感じかな
9. Don't It Make You Feel Guilty
ラストは、ニューソウルな音も入り混じりつつ、ヴォーカルあってこその躍動、個人的にはJanis Joplin が抑えたヴァージョンでの潜めたソウルという感じのスタイルという感想。具に歌うだけで、ソウルの片鱗
9曲・35分弱、だいぶ進化が顕著なアルバムと感じました。前作からのスパンもあって、60年代からの脱皮というか、彼女たちのクオリティの描き方、方向性が新たに発揮された作品。グラディスも、まだまだポテンシャルを感じるヴォーカルの突き進み、ピップスもグラディスを支える如く、色々と面白く試行錯誤。音もきちんと70年代の新たな趣向にフィットしてて、革新!
<過去レビュー>
1967年 Everybody Needs Love
1971年 If I Were Your Woman
1973年 Imagination
1973年 Claudine (OST)
1978年 Miss Gladys Knight
1982年 The Special Time Of The Yera
1983年 Visions
1985年 Life
1989年 The Christmas Album
1994年 Just For You
2001年 At Last
2006年 Before Me
2011年 I Who Have Nothing (Remixes)
2013年* Visions (Deluxe Edition)
2013年 Life (Deluxe Edition)
2013年 Another Journey



