R-3282656-1336819590-5096_jpegサム・アンド・デイヴ、実に6年も空いてリリースされた5th最終作、チャート圏外。Atlantic において1966-68年に4枚のアルバムをリリースし、翌年のベストまでは大ヒット。しかしながら、ここまで時期が空いて、Sam Moore に至ってはお蔵入りとなるアルバムを吹き込んでたり、1971年には継続してAtlantic からシングルを中ヒットさせてますが、本作には収録されることなく、それでも、TV出演や、小さなキャパでのライヴなどは継続し、今回のみUnited Artistsというレーベルからリリース。実際、1981年まで活動は地道に継続されていたようですが、嘗ての華みたいのは無く。よって、だいぶ、彼らの歴史においても語られにくい時期ではあるものの、2009年にリイシューされたりと、ソウルファンには嬉しかったり。

1. Come Into My Life
出だしこそ、ちょっと暗いかなぁと思ったけど、レゲエ調が基軸、意外性。でも、駆け抜ける感じではなく、歳月を経て、おどけた感じでポップソウルを継続しているところは面白かったり。堂々たるヴォーカルも健在
2. When My Love Hand Comes Down
ファンクにホーンを多用させ、新たなサム&デイヴ。だいぶ、粗ぶってる感じ、まだまだ探ってる感じはありそうだけど両者の喉にニンマリ!音ディープ、これは中毒性あり
3. A Little Bit Of Good (Cures A Whole Lot Of Bad)
1stシングル、R&B89位を記録。彼ららしいパンチ溢れてる、その一方音がちょっと盛り上がりに欠けるかも。演奏も、色々趣向凝らしてるんだけど、なんか調和がないというか


4. There's A Party In My Heart
楽しくソウル、小細工なしのストレートなメッセージは良いなぁと、しみじみ。時代的には戦えなかった曲なんかなぁとは思えるけど
5. Under The Boardwalk
2ndシングル、チャート圏外。The Drifters 名曲カヴァー、なぜこの時に?という感じではあるけど。オリジナルの哀愁よりも、緩いコーラスと、堂々たるヴォーカルの交わりは絶妙。愛くるしいというか、浸れる感じで、案外ハマる


6. Shoo Rah, Shoo Rah
Allen Toussaint 作。かなりご機嫌に快調に、違いの意気もいい感じだし。普通に楽しさが伝わるソウル!
7. Queen Of The Ghetto
ストリングスを配し、女性コーラスも加わり、もしかしたらディスコなんかも若干意識されてそう。でも基本は、気持ちよく歌い放つソウル
8. Blinded By Love
1stシングルB面。Allen Toussaint 作。彼らのヴォーカルの進化を感じる、相性は決して悪くないし。色々あったんだろうけど、独特のハーモニーが魅力。音はファンク傾倒、でも地を這うソウル偽りなし
9. Give It What You Can
2ndシングルB面。前曲にも言えたけど、ハーモニーが素敵なんだよね。ここでは女性コーラスだったりオルガンが特徴的、ロックアプローチも加わって、音楽性に深み
10. Don't Close The Curtain (Before You See The Party)
ラストは淡々とロックソウルという感じかな。エレキギターにも負けない覇気あるヴォーカルで挑み!終盤演奏も長めに、ライヴ旺盛だった彼らのアンコール・エンディングみたいにも受け取れました

10曲・35分、彼らの70年代貴重な音を聴ける作品とて、結構面白い仕上がりだと思います。時代的に忘れ去られてたデュオだったんだろうけど、確実に良い音・声を届けてくれてます。支える布陣もまだまだいたわけだし、チャートやプロモは残念だけど、こういう時代にこんな形でソウルを届けてたんだなぁと、関心です。

<過去レビュー>
1966年 Hold On, I'm Coming
1970年 Plenty Good Lovin' (The Lost Solo Album) Sam Moore
2006年 Overnight Sensational Sam Moore

Back At' Cha! by Sam & Dave (2009-11-16)
Sam & Dave
Shout! Records
2009-11-16