81ViKL7VlyL__SL1500_ボビー・ウーマック、前作の初となるOSTからは半年振り、オリジナル作としては約1年振りとなる通算6作目でR&B6位・POP37位と、自身最高位を更に塗り替え。彼の地を這うソウルってのは、聴くものを中毒にしたら、どこまでも。今回は選曲も面白かったりするし、異なるプロモーション(OST)も経て、彼のパワーアップした音楽性を聴けるんじゃないかな。

1. Nobody Wants You When You're Down And Out
1stシングル、R&B2位・POP29位を記録。結構、リズムが良い感じで響くパワーソウル。ギターもだけど、ヴォーカルの躍動も見事、サントラを経てシリアスな感触も絶妙に混じり


2. I'm Through Trying To Prove My Love To You
2ndシングル、R&B80位を記録。60年代に戻ったような気抜けコーラス、ブルースというか鼻抜けサウンドに、具に入れるヴォーカルは味が強い、切ないのに 男気でがっつき


3. If You Can't Give Her Love, Give Her Up
ゆったりした感触でニューソウルに彼の息吹を。でも、ソウルは捨てずに、もう独自世界で。彼ならではの70年代ソウルの表現、ワクワクする
4. That's Heaven To Me
Sam Cooke カヴァー。控えめにストリングス、カントリー的なギター、そーっと丁寧に優しく歌われるのが印象的
5. Holdin' On to My Baby's Love / Nobody (Medley)
メドレー言えど3分程、ミディアムに軽やかに刻む。ピアノだったり、安定感ある曲、演奏に、安泰なヴォーカルに寄り添い
6. Fact Of Life / He'll Be There When The Sun Goes Down (Medley)
タイトル曲を筆頭としたメドレー、6分超。優しく、そしてじっくり歌い紡ぐ。彼の表現冥利、しゃがれたヴォーカルの中の切なさや弱さ、染みる
7. Can't Stop A Man In Love
だいぶ60年代を意識されたようなポップソウル、ご機嫌にも灰汁があって、彼ならではの元祖。自由に演奏して歌を解き放つ!
8. The Look Of Love
Burt Bacharach, Hal David カヴァー、異色。ここまで、しゃがれた声で美世界を歌うと、もう究極の次元のソウルに、演奏も後半だいぶ試験的に
9. Natural Man
Carole King 男性版にてカヴァー。 彼ならではの消化になってて、もう解釈が凄い面白い。アレサ以上にアドリブ、メロディの捉えも自分的に揺さぶられる
10. All Along The Watchtower
Bob Dylan カヴァー、今やノーベル文学賞を受賞したて、ボブ。本作ラストは、メッセージ性も強めに、トーンも迫真に、ギターもロッカーばりに、いやー、格好良い一本道

10曲・34分、今回はパワーアップして、時代も何もかも飲み込んで、そして彼のソウルは止まないままに、強弱色々な表現を見せつけてくれたなぁと。ギターはやっぱりどこまでも躍動してて、一方ヴォーカルは悲しげだったり、覇気があったり。あっという間の作品の中で惜しみなく表現を出しまくってて、濃いソウルアルバムだと思います。

<過去レビュー>
1968年 Fly Me To The Moon
1971年 Communication
1972年 Understanding
1972年 Across 110th Street & Peace
1975年 I Don't Know What The World Is Coming To
1976年 Home Is Where The Heart Is
1976年 B.W. Goes C.W.
1979年 Roads of Life
1981年 The Poet
1984年 Poet ll
1987年 The Last Soul Man
1989年 Save The Children
1996年 It's A Mans Man Mans World with Jeanie Tracy
1999年 Back To My Roots
2012年 Live @ Billboard Live Tokyo
2012年 The Bravest Man in the Universe

ファクツ・オブ・ライフ
ボビー・ウーマック
ユニバーサルミュージック
2014-01-29

Facts of Life / Don't Know What the World Is Comin
Bobby Womack
EMI Europe Generic
2004-08-24


ボビー・ウーマック
ジムコジャパン
1992-12-01