R-642435-1239895369_jpegデヴィッド・ラフィン、10ヶ月振りとなる5作目でR&B5位・POP31位を記録(既にレビュー済みのお蔵入りアルバムは除く)。彼の中ではThe Temptations から脱退後、初のソロアルバムに次ぐヒットとなった要因としてはプロデューサーであるVan McCoy の手腕が大きいかなぁと。自分は、今回ヴァンの何か別の作品を取り上げたいなぁと思って探してたんですが、全然デヴィッドのソロ作を取り上げた無かったので、The Great David Ruffin: The Motown Solo Albums, Vol. 2 の一発目に収録されている本作を。

1. Who I Am
当時の健やかなモータウンサウンド、涼やかにストリングスも気持ちよく、ディスコというよりも軽快なステップ。ヴォーカルも余裕飄々、男気も混じりながら心地十分
2. It Takes All Kinds Of People
ソウルでありつつ、結構混沌とした印象を敢えて生み出しているような、彼の波動が実にゴロンゴロンと、聴き応え。音はだいぶシリアスに、色々と試行錯誤
3. Walk Away from Love
1stシングル、R&B1位・POP9位を記録。キャリア唯一のR&B制覇!ミディアムに、絶妙な甘さと温かさ、彼の包容は絶妙に柔らかな音に張り付き、安心感。極上のメロウさ、音との絡み、ファルセット、全体で美世界演出。ディスコ期に向かうソウル要素、絶妙な時期


4. I've Got Nothing But Time
音を走らせつつも、爽快に。ヴォーカルのハスキーさをもっての躍動、女性コーラスも程よく滑らかに帆を立てて素敵。バンドとしての意気が最高
5. The Finger Pointers
ディスコポップの中に、煌きも潜みつつ、彼のファンキーさ、音のシリアスさ、結構変化球を混ぜたりして、グルーヴがワウワウしてて趣
6. Wild Honey
B面、今までの音とは異なり、緩やかに、泥臭い音を浴びながらも、古びた感覚があったり(ヴァン手法)、溜めの一方でデヴィッドはソウルをもたらしたりバランスの不可思議さ
7. Heavy Love
2ndシングル、R&B8位・POP47位を記録。女性コーラスの引導が激しくも、見事にデヴィッドらしさを失わずに、男女の気持ちよい恋愛を青春に表現、切に嬉しくなるような曲


8. Statue of a Fool
アルバム中レアなスロウバラード、ゴスペルぽさもあるけど、朴訥と歌う感じで、その乱れなんかは人間味。優しく奏でられ、ヴァンとの新たな相性の良さを発見
9. Love Can Be Hazardous To Your Health
1stシングル及び2ndシングル、いずれも同じくB面に採用。ラストは、西武警察のようで、ブラックシネマど真ん中のように、うねうねと聴かせつつも、疾走感ある中でシリアスダンス、乗るというよりも官能ダンス


9曲・40分弱、デヴィッドの音楽性の厚みを知れたのは、プロデュースワークが大きいなぁと。実際、デヴィッドのクリエイティヴもあるんだろうけど、素材をまんま走らせつつ、結果当時の音とのバランスやハマリが見事。単体CDではリリースされてなければダウンロードも販売も無し。かろうじてYouTube では聴けるけど、こういうのはまだまだ良質な音で手軽な復刻を期待したいところ。

<過去レビュー>
Van McCoy
1966年 Night Time Is Lonely Time
1975年 Disco Baby with The Soul City Symphony
1979年 Lonely Dancer

David Ruffin
2004年 David

The Great David Ruffin: The Motown Solo Albums, Vol. 2
David Ruffin
Fontana Hip-O Select
2006-10-24