71f6xWDdChL__SL1212_R. ケリー、初のフルクリスマスアルバム、R&B21位・Holiday13位を記録。前作も正直パッとしない中、最近ケリさん不調気味。でも、確実にR&B重鎮として25年、ようやくのクリスマス作はゴージャスそのもの。また、あまりクリスマス作がでなくなっている中なので、一部話題にはなってます。デビュー作では12 Play というタイトルでしたが、そこに掛けているのか。国内盤は2曲多いので14曲なので、14Nights だったりしますが。全曲ケリさん書き下ろしの新曲で構成。

1. My Wish For Christmas
ピアノでうつくしさ、まるでインタールード的な2分という短さだけど、上質に大人のアドリブ的な、ジャズ的な美しさ、中低域がたまらない


2. Snowman
彼らしい暖かみのあるミディアム、テンポもコーラスも、彼ならではのリフも最高な滑らかさ。良い意味で期待を裏切らない、良好クリスマス
3. Home For Christmas
"O Holy NIght" イントロから、オリジナルへ。ゆったりした世界へ誘われ、リード、コーラス、時に入るアドリブのバランスが旨み。音もなかなかで、生なワウワウなグルーヴが最高に


4. Mrs. Santa Claus
ミディアムスローに奏でるラヴァー、甘くしっとり。オルガンがオールディーズ感、これまたショートな1分超。普通に曲として成立


5. I'm Sending You My Love For Christmas
しっとりしてるけど、リリック早めに攻勢を。イントロ部分超えれば、温かみ。潔くリズムを刻みつつ、懐かしい感じも渦めいてて、独自ループ
6. Letters
堂々たる進行で、コーラスも含めどこまでも意思が強い。水ホトリな音と、ジングル、これが敢えてのクリスマス演出なんだけど、合ってない感じ。それくらいに男勝り
7. Once Upon A Time
またも2分程、しっとり纏め上げてて、個人的にはよい中間曲。煌きよりも、低域で淡々と、でも気迫も混じり
8. The Greatest Gift
ソウル混じりに、結構グルーヴィにジェントルに歌われる本質。ケリさんの抑揚がばっちし出てて、心地よいなぁと
9. It's Christmas Day
クリスマスっぽい垢ぬけたリズムで展開されるポップも入った、楽しいナンバー。でも、敢えてのヒネリも多くて、音もふくめて、まだまだ遊びを知ってるなぁと
10. Christmas Lovin'
クリスマスっぽくないけど、ネオソウルを派生させて、クリスマスの愛をサラリ歌うような仕上がりで興味深く。ケリさんぽくない
11. Flyin' On My Sleigh
ゆったり、バカラック調のようなポップさで充満。歌を震わせ、情景が滲んで、コーラスの脆さとか、繊細なサルサな印象
12. Nights Of Christmas
ラストはタイトル曲で、しっかり締めてくれる。しっぽり、ゆったりしてて、個人的には好きかな。安定感が見事張り付いている感覚

12曲・43分、ケリさんの本領はなかなかの発揮。デビュー時にあったようないきがった感じで、攻めるには最近厳しかったと思うけど、美メロだったり、彼の声に焦点をあてて、じっくり奏でるR&Bは絶妙。ちょっと難しい解釈もあるのか、一筋縄で聴くというより、立ち止まって考えるような部分もあったけど、聴いていくうちに熟成されそう。

<過去レビュー>
1993年 Your Body's Callin'
1994年 Summer Bunnies
1996年 Down Low (Nobody Has To Know) ft. Ronald Isley
2002年 The Best of Both Worlds & Jay-Z
2003年 Chocolate Factory
2004年 Unfinised Business
2004年 Happy People
2004年 You Saved Me
2005年 Remix City volume 1
2007年 Double Up
2007年 Trapped In The Closet chapter 1-22
2009年 Untitled
2010年 Essential Mixes
2010年 Love Letter
2012年 Write Me Back
2013年 Black Panties
2015年 The Buffet