51AEDtJPrrLパティ・ラベル、2年8ヶ月振りとなるソロ12作目でR&B7位・POP48位を記録、2作連続のゴールド獲得。Jimmy Jam & Terry Lewis, James Wright, Teddy Riley等、旬のプロデューサーをこぞって起用した意欲作。シングルも3枚カットし全てPVを用意したり、リミックスなどドカンと発表してダンスヒットを飛ばしたり躍起。彼女の新たな踏ん張りが詰まってます。

1. I'm In Love
優しいメロウバラードでスタート、歌い裂ける感じではなく、抑え目の歌唱でアダコン路線。結構節々強さは出ちゃうけど、だいぶ頑張ってる
2. All This Love
2ndシングル、R&B42位を記録。1983年DeBarge カヴァー、地味に進行する感じかな、パティの旨みは沈んでるけど話題性は高く


3. The Right Kinda Lover
1stシングル、R&B8位・POP61位・Dance1位を記録。リズムもなかなか、パティの気持ちよい声質もうまく活かされてる。リミックスは完全にバッキバキ


4. This Word Is All
ちょい緩く、でも余裕たっぷり、往年のヴォーカルで進めながらも音は当時のストリートとR&Bのブレンド、楽しげでウキウキ
5. Too Good To Be Through
ジャムルイ担当の心地よいサウンドが魅力、音にハマって辿るように描かれるメロディも素敵。Michael Jackson 煌きバラードにも近い感触
6. I Never Stopped Loving You
3rdシングル、R&B67位を記録。コロンとした優しい、控えめなバラード。でも一部爆発もあったり、彼女の実力を覗かせつつも、最大限削ぐ努力


7. Stay In My Corner
力強くも、ゴスペル的な魅力もある、どっしりとスピリチュアルに。コーラスの使い方、パティの強烈ヴォーカルも自然で
8. If I Didn't Have You
出だしから驚かされる高域スタート、旧来ファンには喜ばれそう。サウンドこそ、敢えてのバラード攻勢も、パティはやっぱ弾けてナンボ
9. I Can't Tell My Heart What To Do
しっとりした感触維持、包み込むような全体での仕掛け。徐々に盛り立てるに、コーラスのテクニカルも大きな貢献
10. Time Will Tell
スロウに、ジャズの模りのよう。彼女の奥行ある表現力に感動しつつ、敢えて爆発しない感じで、じっくり聴き込み
11. Our World
メロウなんだけど、他とどこか異なる、幻想的かなぁと。徐々に広がる美しさ、そこで丁寧にリリックに酔わせる感じでクール
12. Come As You Are
ラスト、ディズニー映画のように、じっくりと音を伝え扉を開けていくような冒険。中盤、中毒性ある高域なんかも出てくるけど、大御所ならではのフィナーレという感じかな

12曲・57分半、前半はだいぶ抑えてて、新たなファン獲得に向けた施策だなぁと。後半はパティらしさを取り戻しつつ、結構スロウに維持し、そしてゴスペルの要素を強めているのも聴き応えかな。きちんと新旧の面白さをブレンドしていて好感。特に前半ではまだまだ新たな音に食らいつくし(パティらしさを削ぐこと勤しみ)、後半はコーラスとの相性の良さに唸っちゃいます。

<過去レビュー>
1976年 Chameleon Labelle
1977年 Patti Labelle
1978年 Tasty
1981年 The Spirit's in It
1989年 Be Yourself
1990年 This Christmas
1994年 Our Christmas Songbook* & The Bluebelles
1998年 Live! One Night Only
2000年 When A Woman Loves
2002年 Way Up There
2004年 Timeless Journey
2005年 Classic Moments
2006年 The Gospel According To Patti Labelle
2007年 Miss Patti's Christmas
2008年 Back To Now Labelle

Gems
Patti Labelle
Universal Mod Afw
1994-06-07

ジェムス
パティ・ラベル
MCAビクター
1994-07-21