EricRoberson-TheAppetizerエリック・ロバーソン、チャート本が合ってればなんだけど、若干18歳の時にR&Bヒットを1枚飛ばしつつ、以降は裏方を探り。実際彼は正式にソロデビュー前からR&B、ネオソウル系のライター、バックコーラスなどで活躍する傍ら、自身の作品もリリースしてきた感じのようで。そしてソロワークスとしては1年半振りとなる4作目をこの度。その後、2009年初チャートインで、以降結構な頻度でR&Bチャート20位内ってのも継続に。国内でもCD化されたり、結構彼は早くから注目度は高かったようです。

1. N2U (ft. Marsha Ambrosius)
独特の部分で音を維持する感じで、しっとりと、そしてアナログな音にて、幻想的に。まだソロとして開花せずFloetry としての活躍だったマーシャをまねいて、余裕の音っぷりがタマラン


2. What I Gotta Do?
ネオソウルとして、音の振れ幅が気持ちよい表現かな。コーラスだったり、洗練とした響きを生みだすのが上手いなぁと
3. Painkiller
R. Kelly のようなステップ、爽快にヴォーカルも似てる感じあるなぁと。コーラスが巧みに折り重なり、涼しげなのに層は厚めで聴き応え
4. Hesitation
しがらみなく、軽快に歌が流れていく。質感の良さ、とにかくコーラスとアドリブの入れ込みも絶妙に
5. Just A Dream
メロウ、ギターが夕映えに包まれるような色味に。アコースティックでありつつ、ストリングスも入ったり、でもゴージャズというより日常の美しさ。どこかStevie Wonder ぽさがあるなぁと
6. Softest Lips
丁寧に神経質に奏でるというか、ちょっと意味深さもあるし、敢えて男が唇をなぞるように歌う、エロイというよりもセクシー、そしてテクニカル
7. Momma Told Me (with Rosalind White)
ちょいメランコリーにも、ブラックヒストリーのスパイラルを、シリアスに表現する感じで、なんか絶えず深いなぁと
8. The Moon
これ、1994年にR&B53位を記録した曲なんですが、いちお再録みたいです。おそらく、この辺りの掴みがあったからこそ、本作は国内盤になってるのかも。90年代のR&Bの良さがあって、掛け合い含め、なんか懐かしさと、改めて生みだされるグルーヴみたいなのに酔えます


9. We Can't Pretend
まだまだ彼の織り成す音やコーラスはパターンがあるなぁと感銘。スムースなんだけど、さらっとしてて、でもしっかり濃縮もあってワクワク
10. For Da Love of Da Game (ft. Raheem Devaughn)
ラストはラヒーム参加で、演奏がかなり凄腕な感じ、さらりとギターも凄く惹きこまれる。ラップ交じりに、ソウルの垣根を越えて、現代R&Bの美しさを伝えてくれてます


10曲・42分、さらりと流れていくアルバムなんだけど、骨子となるのはコーラスだなぁと。そこに演奏だったり、リードだったり、層を厚くした全体で聴き応えと満足感が持続。マーシャやラヒーム参加だけでなく、11年前のヒット曲を取り上げたり、結構話題になった作品なんだと思います。起爆まで一歩手前、でも凄く納得いく作品だなぁと。

<過去レビュー>
2012年 ニューオーリンズ4日目 -ESSENCE MUSIC FESTIVAL 2012, 2nd Day-

Appetizer
Eric Roberson
Blue Erro Soul
2007-06-26

アペタイザー
エリック・ロバーソン
Pヴァインレコード
2005-12-21