wpcr000017925_LLLアレサ・フランクリンが大ブレイクとなったアトランティック・レコードでのデビューから50周年となる今年、引退前の最後のオリジナルアルバムのリリースが遅延している状況にて、素敵なリミックス作品がリリースされることになりました。とは言え、アレサ自身はリリースに際してなかなか許諾せず、2017年ギリギリにリリースできたことは、関わった方々もヒヤヒヤものだったと思います。海外盤は11月10日、国内盤は11月15日ですがアマゾンでは既に14日に到着。デジタルの時代になっているものの、フィジカル盤が一斉リリースとなっている状況を見ると、今回の作品は結構プッシュ度が高いと推察できます。リリースにおけるとトレーラーでは、事前にインタビューなども公開されるなど、楽しさアップに盛り上げてくれてました。ちなみに国内盤のライナーは吉岡正晴さん、歌詞・対訳も載ってました。

Elvis Presley の同企画盤はイギリスでヒットしたこともあり、この度Nick Patrick, Don Reedman がアレサを題材にレコーディングすることになったようです。The Royal Philharmonic Orchestra の音をイギリスのアビーロードスタジオで録音し、コーラスも入れ替え。それもPatti Austin, Ledisi, Valerie Pinkston, Lynn Fiddmont が参加する超熱烈サポート状態。個人的には、まだ生きてるんだから今のアレサの声で録音してほしいと思ったものの、まー、アレサを色々説得するのも難しいと思うので、オケだけ豪華に録音して声を重ねたってのは、概ね納得と言うか。


1. Think
1968年、Aretha Nowより、R&B1位・POP7位を記録。アレサと当時の夫Tedd White共作。日本ではブルースブラザースの名演が有名!出だしから重たくも、野太さで歌のハイパーさを上手く表現!オリジナルはだいぶ籠ったままだったから、だいぶクリアに運び、この曲をもってアレサのアトランティック期の再生が凄みに
2. Don't Play That Song (You Lied)
1970年、Spirit In The Dark より、R&B1位・POP11位を記録。Betty Nelson, Ahmet Ertegun 作、オリジナルはBen E. King。音の温かさを残しながらも、1曲目の流れからの圧倒は素晴らしく
3. I Say A Little Prayer
1968年、"The House That Jack Built" B面ながらも、Aretha Now収録、R&B3位・POP10位を記録。Burt Bacharach, Hal David 作、オリジナルは同年Dionne Wariwick。ミディアムに上質な気分に浸れるスムースな仕上がり。コーラスの流れも最高にメロウ
4. Until You Come Back To Me (That's What I'm Gonna Do)
1973年Let Me In You Life より、当初は書き下ろし扱いでしたが後にセルフカヴァーが蔵出しされたことからオリジナル・自作は1969年Stevie Wonder。本作収録曲の中で最も新しい曲がこれ、要は1967-1973年の8年間の曲しか収録されてないんですよね、この後まだ6年アトランティックに在籍はするものの、これが当時の最後のビッグヒットって感じなんですかね、ギリ"Something He Can Feel" あたりも収録してくれれば幅は広がりましたが。さて、本曲、アレサがだいぶスムースに華麗に歌うようになっていた頃でもあるので、叫ぶよりもしなやかさがオーケストラにマッチしてるなぁと
5. A Brand New Me
1971年、"Bridge Over Troubled Water" B面曲、Young, Gifted and Black 収録、Kenneth Gamble, Theresa Bell, Jerry Butler 作。本作のアルバムタイトルに引用されてます。アレサも今でも歌う名曲、ポップに、オーケストラの盛り上がりに非常に馴染んでる印象
6. (You Make Me Feel Like) A Natural Woman
1968年、Lady Soul 収録、R&B2位・POP9位を記録。とにかく名曲ですが、Carole King, Gerry Goffin 作で、特に後にキャロルも1971年の大名盤Tapestry でもカヴァーしたことでも有名。近年、キャロルの前で再演した話題になったヴァージョンのようで、本当に素晴らしく奥行きがある仕上り


7. Angel
1972年、Hey Now Hey 収録、妹のCaloryn Franklin 作でR&B1位・POP20位を記録。出だしの語りに乗せるオーケストラがとにかく粋、美しい。個人的にこの曲が本作一番、色々と曲の良さを新たに引き出してるんじゃないかなぁと感じました
8. Border Song (Holy Moses)
1972年、Young, Gifted and Black 収録。R&B5位・POP37位を記録。オリジナルは誕生日が一緒で5歳違いのElton John, Bernie Taupin 共作。1989年"Through The Storm" でデュエットしたり、1993年のアレサのアトランティック移籍25周年のイベントだったり、つい先日の2017年11月のエルトンのイベントだったりで共演することもしばしばの二人。本曲の選曲はレア感も、ゴスペル調、じわじわ来る感触が素晴らしい編集に
9. Let It Be
1970年、This Girl's In Love With You 収録、元はJohn Lennon, Paul McCartney がアレサに本曲を送ったのにアレサがなかなかレコーディングしないことにシビレを切らせ、The Beatles が先にリリースすることになった曰くつきの名曲(アレサはこんなに凄いプロセスがあったのにアルバムにひっそり収録しただけだし)。アレサは黒さたっぷりに歌われつつも、さすがUKに愛される作品作りというためか選曲され、伸びやかに穏やかに、神妙な心地になるよう
10. People Get Ready
1968年、Lady Soul 収録、The Impressions オリジナルで、Curtis Mayfield 作。どこか安らぎや終着、人の心をなだめてくれるような、今にもアレサのメッセージが痛く伝う。更にコーラスの優しさがたまらない
11. Oh Me Oh My (I'm A Fool For You Baby)
1971年、Young, Gifted and Black 収録、"Rock Steady" B面としてR&B9位・POP70位のヒット。オリジナルはLuluで、Jim Doris作。徐々に盛り上がっていく曲にならって、オーケストレーションも聞かせどころは流石
12. You're All I Need To Get By
1971年、Asford & Simpson 作、オリジナルはMarvin Gaye & Tammie Terrel、シングルのみのリリースでR&B3位・POP19位を記録。コーラスもふんだんに、ソウル色が強いミックスって感じかな
13. Son Of A Preacher Man
1970年、This Girl's In Love With You 1曲目に収録で、シングル"Call Me”B面曲、オリジナルはDusty Springfield John Hurley, Ronnie Wilkins 作。敢えてレアな選曲だけど、UKでは人気だからなのかな。ロック色も強いような歌いっぷりに、コーラスがしっかり基軸を押さえ、程よい馴染み
14. Respect
1967年、Otis Redding 作・オリジナルで、オーティスを超える曲になった初の全米1位曲(R&B1位)、キャッチーでハイパーで、更に質感も素晴らしい仕上りでオーケストラのマジックに驚き。これぞ、現代に蘇る50年前の世界的名曲、いやー、こういう形式での蘇生は本当脱帽


14曲・52分弱、選曲において感じたのは全体バランスもあれ、なるべく曲を作った方をばらけさせてるなぁという印象。無論アレサはカヴァーが多いものの、どんなタイプの曲も歌い倒してモノにしてきて、今になってもその魅力は音を変えて益々輝きを放ったというか。当初は仕上がりに不安はありましたが、これはこれで上質に仕上がってて素晴らしかったです。アレサがいけちゃえば、他のシンガーの同企画は成せるんだろうなぁと、お金はかかるので その辺の折り合いがつくシンガーならって感じだけど。



ブラン・ニュー・ミー
アレサ・フランクリン
ワーナーミュージック・ジャパン
2017-11-15