71xmG4iRGKL__SL1050_小室哲哉氏、引退報道を受けて、個人的には自分の音楽好きを形成してくれた重要な人物すぎるので、悲しすぎるし、今でもその名盤の数々は時々聴いては音楽の素晴らしさを染み入らせてくれるし。今回、案外初めて取り上げるTMのアルバムを。前作から1年振り・2作連続となるオリコン1位を記録した6作目。本作はTKの中でもかなり気合の入ったストーリーテラーのような作品で、彼のドラマティックな面と、デジタルの融合がとにかく先駆的で、今なお語り続けられている作品。デラックス盤だったり、ファンが一番好きと掲げる1枚だったりもします。自分は音楽番組の衰退あたりのバブル期の作品ながら、まだ小3だったので、とにかく格好良いバンドだなぁと惹き込まれまくったんです。TMの思い出は相当です。小学校の頃は、ほんと渡辺美里、尾崎豊と並んで、TMをレンタル(小5まで)、で小6からは結構買ったなぁと!

1. A DAY IN THE GIRL’S LIFE (永遠の一瞬)
出だしから徐々に音を上げていく、壮大な世界観。歌を奏でるというよりも、自然にメッセージ性に包まれるような、音域も無理なく、TMの恒例にもなる元気ではなくセクシーというか凛としたコーラスも、洋楽仕立てのようなセンス


2. CAROL (CAROL’S THEME I)
キャロルのテーマ、1曲目とつながったような流れにて2分半、冬を彩るように、テンション無機質に、でもどこか暖かに歌うウツのヴォーカルもTMのクリエイティヴセンスに本当フィットするんだよね
3. CHASE IN LABYRINTH (闇のラビリンス)
面白いのが、アルバム発売後カットされたシングル12曲目の一部の基にしているんだよね。これ聴いたとき、あれ?って感覚に。当時から色々曲同士にエッセンスを重ねたり、リミックスだけでない繋がりを持たせたり、更に曲中にキャロルという言葉を何度も、アルバム自体がキャロルに制された、コンセプトの根付きのアピールは気合
4. GIA CORM FILLIPPO DIA (DEVIL’S CARNIVAL)
どちらかと言うと、初期のTMにも近いポップさ。でも、オープニング曲のエッセンスも交えたり、ウツの解放感あるヴォーカルが気持ちよく、楽しいサウンドもアルバムに彩り
5. COME ON EVERYBODY
3rdシングル、オリコン3位を記録。音自体はバブルも混ざってるけど、とにかく猛進クールなダンスサウンド。個人的にはサビが全部英語ってのが惹かれたんですよね、連呼がとにかく格好良い。ポップなメロディで聴き入っちゃうのに、難しい展開にも感じるし


6. BEYOND THE TIME (EXPANDED VERSION)
1stシングル、オリコン4位を記録。リリースから8ヶ月経ったからかヴァージョンを変えて新たに。ホーンが入ったり、余韻だったり、歌自体もパワーアップ。"Get Wild" でシティハンターEDから大ブレイクした彼らが、今度はアニメ映画"機動戦士ガンダム 逆襲のシャア"主題歌としてリリース。流れが秀逸なバラード、アニソン元祖にも強いというか、特に未来的なヒーロー物にフィットする。個人的序盤の涼しげな感じと、サビの熱烈な重ねのバランスが旨みすぎて、彼らのキャリアを通しても相当上位に好きな曲


7. SEVEN DAYS WAR (FOUR PIECES BAND MIX)
2ndシングル、オリコン3位を記録。映画"ぼくらの七日間戦争"主題歌、宮沢りえ主演で話題に。若者を描いた映画なのに、ここまで大人のように鼓舞する曲、すごく世界が広がったというか、この曲じっくり聞くと鳥肌なくらいに、すごく青春の甘酸っぱさ。"Revolution" からスタートする歌詞も印象的

8. YOU’RE THE BEST
シングル3連発から、新たにアルバムに特化したタイプさせる曲で、存在感は減るけど、熱心に躍起に歌うウツが眩しい
9. WINTER COMES AROUND (冬の一日)
木根尚登作曲、悲しいくらい男の嵯峨を表したようなラヴソング。メロディの刻み方もTKとは異なり、昭和的で、こういう一面も彼らの素敵さとして掲げられるなぁと
10. IN THE FOREST (君の声が聞こえる)
お馴染みTKパターンという感じの曲かな、更には本作ならでは自然だったり温度だったり、そういうものも敢えて取り込みまくってるのは、面白いなぁと
11. CAROL (CAROL’S THEME II)
2曲目に続き、キャロルのインタールードという感じかな。でもコンプリートに4分ほど歌も交えつつ、クラシカルに幻想的に、でも勇ましく戦士のように、でも崩れ落ちたような感じでもあり、途中から次曲に伝うためにポップにテンポを上げて、完全にノンストップ状態
12. JUST ONE VICTORY (たったひとつの勝利)
アルバムリリース後にカットされた4thシングル、オリコン4位を記録。前述の3曲目での余韻を回想させたり、色々とチャレンジしまくってる曲。アルバムヴァージョンは10曲目の一部をフェードに入れたり、7分に及ぶ強力な終盤のインパクトに


13. STILL LOVE HER (失われた風景)
ラストは4thシングルカップリングとしてリリース、"シティーハンター2" EDにも採用、珍しい朴訥とした、でも真っすぐ歩んでいくような感じで、心地よくアルバムを終了できる重要な曲


13曲・62分、この時は小室みつ子氏が8曲作詞、まだまだTKは作曲と編曲で存在を示していった頃。十分なインパクトがあるし、そこに加えられる制作陣どれもぶれてないし、キャロルというテーマを一環として表現するに相応しい布陣間違いなし。改めてタイアップとかシングルも多いけど、アルバムとして最高な状態でパッケージして取り纏められた、特にTKの才能を知らしめる80年代の名盤!

<過去レビュー>
番外編 渡辺美里への小室哲哉提供・参加、計20曲

CAROL-A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991-
TM NETWORK
エピックレコードジャパン
1991-09-05

CAROL A DAY IN A GIRL'S LIFE
TM NETWORK
ソニー・ミュージックダイレクト
2013-02-20

CAROL-A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991-
TM NETWORK
エピックレコードジャパン
2000-03-23

CAROL DELUXE EDITION(完全生産限定盤)(DVD付)
TM NETWORK
ソニー・ミュージックダイレクト
2014-12-24

CAROL the LIVE [DVD]
TM NETWORK
エピックレコードジャパン
2004-04-21