expoTMNに改名してから2作目、TM NETWORK から通算するとオリジナルは4作連続オリコン1位を記録。個人的には、彼らがデジタルの世界観を常にリスナーに提起するグループという位置づけになってました。今回は更に宇宙旅行にも近い感覚というか、その一方で日本語タイトルも多く、彼らならではの両極を混ぜ込んできたような印象。この頃からは小室哲哉作詞という曲も目立つようになったのがポイント。さらに5・6・8・10・11曲目で東京ラヴストーリー脚本の坂元裕二が担当し、作詞の世界観にも注目。

1. EXPO
イメージは博覧会のパビリオンのようだけど、どうにも宇宙に迷い込んだようなイントロ的なフュージョン2分弱
2. We Love The Earth (Ooh, Ah, Ah, Mix)
先行シングルカップリング、アルバムヴァージョンにて収録。オリジナルよりも、なんか温かみがあって、どこか余裕たっぷりの全体感


3. Love Train
本作からは唯一のシングル、"Time To Countdown" 以来2曲目となるオリコン1位を記録。当時のヒットと直結するカメリアダイアモンドCM曲。分かりやすいポップな曲、当時は難しいデジタルよりもメロディライン優位だったのか、こういうカラオケでも歌いやすそうな曲、でも攻め方は随所TKクオリティがうまく混じってるし、ギターとかロック色も忘れじ


4. Just Like Paradise
このフレーズ、本当好きだったなぁ。洋楽的だし、オリエンタルにも感じるし、かなりクリティカルに、複雑なメロディライン、女性コーラスの外人っぷり、全体を通して格好良すぎる


5. Jean Was Lonely
この時すでにTKサウンドが出来上がってるなぁと。サルサとかも取り入れのて、おどけてるようにも。ウツのヴォーカルも洗練さが増してて、より無機質さが音と同化して面白い
6. Crazy For You
クレイジーというだけあって遊んでる、魅惑。伊集院光の声一杯にサンプリングしまくり。さらにシンガー ウツと、彼女扮する女性との電話の会話(きっと携帯電話をイメージ)を音に乗せるだけ。なのにオシャレ。当時のユーロダンスビートというか、彼らがデジタルから、完全進化のダンスアーティストへの革命を感じる。7分に亘って伊集院光とウツと女性の3人の声がこだまする、ライヴ終わりからエロまで直ぐの展開、ずっと伊集院笑ってる、絶対TK笑ってる(笑)、斬新すぎる。コーラスのWow Wow Wow- なんて、その後のtrf にも繋がってそうだし
7. 月の河 / I Hate Folk
アルバム後半スタート。アコースティックにて、意外過ぎるフォークサウンド、木根さん作詞。次いでハードロックテイスロの宇都宮隆作詞のメドレー形式に、アンバランスなのに、うまく2分半に詰め込める斬新
8. あの夏を忘れない
個人的に好きな曲、ポップなんだけど、夏の汗や太陽が似合わなそうなトリオだけど、それを涼しげに表現しきってるし、爽やかさが半端ない、でもクリエイティヴさも十分に。
9. 大地の物語
熱烈な男の青春が詰まってて、これはデジタル云々ではなく、独立した1曲として堪能したいストーリー感あふれるバラード
10. 月はピアノに誘われて
木根尚登ヴォーカル。悲しげに揺れる、不規則にも感じるようで、うまくアルバムにフィットするのが不思議。こういったメロディアス、ドラマティックなパーツに木根さんが本当ハマる、TMのお約束な感じもする
11. Tomorrow Made New
ロックテイスト強めにミディアム、まるでライヴのようにバンドとして楽しく盛り上がっていくような感じの曲。一部ウツのヴォーカルもあるけど、パートは少なめ
12. Think Of Earth
意外にもラストは小室哲哉の歌、しっとり締める中、このような終わり方がオーソライズされたのも不思議。TMぽくない、ただ、ここまで全員参加型でいろいろな趣向にトライしてて、TMNになって新たな方向に違和感なく挑戦しまくり

12曲・65分、すごく幻想的なんだけおd、メロディラインを大事にして、勢い任せではなく、テーマに沿って、独特の仕上がりになってるアルバム。シングルカットも少ない中きっちりアルバムアーティストのようにプロモートしてきたのは、すでに大物感。全体的には難解だけど、日本語の大事さなんかも痛感できるのは色々ルーツあってなんだろうなぁ。

<過去レビュー>
番外編 渡辺美里への小室哲哉提供・参加、計20曲
1988年 CAROL -A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991-

EXPO
TMN
エピックレコードジャパン
1991-09-05

EXPO ARENA FINAL [DVD]
TMN
エピックレコードジャパン
2005-03-09