51uxMQDmSWLシャーマ・ローズ、オランダのアレサ・フランクリンと呼ばれる彼女の満を持したデビュー作は、これまで世界でトリビュート作でさえあまり出てない、ソウルの女王アレサをカヴァーした作品。一部、アレサがオリジナルでは無い曲も多いのですが、シャーマがアレサの音源にてインスパイアされた曲に制約を設けずに選曲したのでしょう。日本でも少し話題になりましたが(来日もしてゴスペル・ワークショップしたりもあったし)、改めてどんな流れになっているのか興味を持っていたので、ようやく聴けるワクワクと共に聴いていきたいと思います。

1. Amazing Grace
Jennifer Hudson にも近い清涼感ありつつ、どこか構えた歌唱。柔らかにオルガンのみをバックに、彼女ならではの個性での解釈に、アレサをイメージするというよりも、ソウルが好きなレクイエムみたいなのを感じるかな、途中からクラップ付きのワウワウした感じに


2. Think
意外性、緩めのファンクサウンドで、一歩引いた構えた全体感。ヴォーカルアレンジも変化、歌いやすそうなテンポ、アドリブ。女性コーラスも気持ちよく、高域もなかなかの披露
3. Won't Be Long
アレサの初期1961年のスマッシュヒット、だいぶ世界観をいじって、演奏もだいぶこだわって、オリジナルの猛進な感じではなく、若干気だるくネオソウル風、少しのウキウキもあって楽しいアレンジ
4. Until You Come Back To Me
次いで、本作収録のアレサの楽曲の中でも新しいものになる1973年Stevie Wonder 作、まるで"Day Dreamin' " を混ぜたような幻想な仕上り、ストリングスだったり、よりスロウに奏でる秀逸さ、曲の美しさを再教示してくれるよう
5. Sweet Lover
変化球、コロンビア期から。Erykah Badu を敬愛しているような、アドリブでの曲の再創生な印象。かなりクールなスタンダードに
6. Satisfaction
これはアレサというより、"Live in Paris" で披露されたThe Rolling Stones カヴァー、たしかにパンチある名唱だったけど、シャーマの余裕たっぷりに、でもメロウさも秘めつつ、彼女のポテンシャルの高さを十分に感じる
7. Respect
テンションそのままに、アレサ大ヒット曲を如何に?!出だしから高音パンチ、ちょい苦しそうだけど、その味わいが彼女の面白み。結構食らいつきつつ、いろんな場面でアレサが聞かせてきた表現を色々取り込んでいるようにも。曲自体はモータウンソウルみたいで、ヴォーカル自体はMary J. Blige みたいに現代風ソウルとて放たれてる


8. Dr Feelgood
だいぶブルージーに、アレサのオリジナルにも近い音色にて、でもだいぶ一言一言を噛みしめる歌唱はこれまでにない表現


9. Chain Of Fools
泥臭く、淡々と進む感じながら、王道ソウルを自分のもののように得て、バンドも巻きこんで、正に女王のように歌う姿は勇敢
10. Love Is The Only Thing (ft. iET)
アレサもあんまライヴで歌わないコロンビア期の隠れた曲を、女性コーラスと大方一緒に歌われるメロウ、揺れて気持ちよく浸れるような夕映えなんかがフィットしそう
11. I Never Loved A Man
アレサのアトランティック期デビュー曲、オルガン多量、ヴォーカルはだいぶはみ出しつつも、凄くシャーマに合った歌なのか、極上に歌いきる!
12. Natural Woman
個人的に、これは最大のハイライト、出だしから緊張感あれ、中盤からは長めに、だいぶこの曲を噛みしめるように独自アレンジを加えながら、5分超に亘り曲の世界観を広げまくる


13. Bridge Over Troubled Water
ラストは、アレサが社会に与えた影響の大きさを示す曲、コーラスもシャーマが加わってるように可愛らしくも、最後は色々な難題を乗り越えながらたどり着いた場所かのように、穏やかに、平和に

13曲・44分、コロンビア3曲・アトランティック10曲での構成でした。アレサの単なるカヴァーではなく、色々とアレンジを加えるからこそ、アレサを意識して、オランダのアレサとも称され、ほんとソウル愛に溢れたアルバムに仕上がってました。多少、がっつっり系の音や声を求めてる人には不満かもしれないけど、彼女の歌いっぷりも若さの割には面白かったです!

<過去レビュー>
2014年 Shout It OUt Loud

Sings Aretha
Shirma Rouse
2012-03-29