My_First_Time_Around現在64歳ベティ・ライト、先日取り上げたティト・ジャクソンのアルバムに参加してて、あー、2012年にライヴ観たなぁと回想し、なにか取り上げてなかった彼女のアルバム無いかなぁと探していたところ、彼女のデビュー作が何ともちょうど50年前に発売されてて、という事は実に彼女14歳の時の作品です!唯一本作のみATCO Records からのリリース、チャート圏外でしたが、シングル・カットは2曲。遡ると前年に Solid Soul からシングル盤発売されてますが、本作には未収録。

1. Girls Can't Do What The Guys Do
1stシングル、R&B15位・POP33位の初ヒットを記録!当時14歳と思えない堂々たる構えっぷり、中域も高域も自由自在。コーラスもホーンも結構落ち着きつつ、全体に骨があって、歌いっぷり驚異。Gladys Knight のデビュー当初と比して良いような出来っぷり


2. Funny How Love Grows Cold
ファンクで、かっ飛ばすようなヴォーカルは更に旨み、凄み。ハスキーさも猛烈、彼女がマイアミではなく、まだまだ泥臭いソウルで勝負してたなんて、年齢的にもこれはルーツが相当ぶっ飛んでるんだろう
3. I'm Gonna Hate Myself In The Morning
情念込めて、彼女の抑揚も見事楽しく心に浸透するし、コーラスもパワフルに、当時のメンツ恵まれてたんだろうなぁと
4. Circle Of Heartbreak
なんと14歳のBetty Wright 詞曲。こりゃ、日本で言う宇多田ヒカルにも近い、早熟。ソウルのようでゴーゴーのような、でもソロにてぐいぐい引っ張る様相、勇ましい。とにかく声質にパンチがあるのが特徴
5. Sweet Lovin' Daddy
1stシングルB面、ポップにメロディアスも、どこまでもハッチャケご機嫌パンチ炸裂!節もプリプリ、完全に飲み屋で喉壊したマダムって感じに聴こえるくらい
6. Cry Like A Baby
Dan Penn 作、The Box Tops 同年オリジナルの名曲カヴァー、A面は此処まで。ハスキーというかドスが映える曲、淡々と進行しつつも、生まれ持った天性でのアドリブも随所、サウンド低めにクール
7. Watch Out Love
2ndシングルB面、かなりタイプが異なる曲。ストリングスや、美しいミディアムスローで、ほんわかバラード。彼女の違う側面を、大人な魅力混じりに妖艶に
8. He's Bad, Bad, Bad
2ndシングル、ポップにわかりやすいメロディ、なんかベティの粗さも可愛さも、どっちつかずのシングルだったかも。でも若さを押し出した、フィット感は強め


9. I Can't Stop My Heart
再びバラード、こういう色っぽさも合うのは個性だろうなぁ。抑揚ばっちしだし、今後をかなり楽しみにさせてくれる。バンド従え、クラブジャズなんかでも単独できちゃいそうなポテンシャル
10. I'm Thankful
粛々とした感じだけど、彼女の場合、曲に命の吹き込み方が絶品で、強弱だったりで歌の雰囲気がどんどん膨らむ、それに助長されるように音も豊かに
11. The Best Girls Don't Always Win
緩め、しっぽり静まり、出だしから声の出し方からして逸品!地声はあまり使わず、ふわっとした感触を大事に、日本だと元気に音程通り上手く歌えるがすべての文化に思うんだけど(近年の歌コン)、そうじゃない曲に染まり、曲を染め上げる感じが素敵
12. Just You
ストリングスのウネリが個人的に好き、控えめな歌唱、最後を優しく彩る、バラード。なんか夕暮に染まるというか、パワーもありつつも、どこか癒やしを与えるような曲に

12曲・32分、個人的にA面のかっ飛ばしこそ改めて彼女を好きになったけど、なんと言っても術を駆使するB面こそ彼女のスタイルを決定づける天才さ。これは未だにリイシューされたりしてるけど、びっくりする程の名盤だと思います。特に14歳とは到底思えない歌力、歌心。こういう歌手が、未だにスタイルを変えながらも半世紀後も活躍していることに心から喜び。

<過去レビュー>
1972年 I Love The Way You Love
1978年 Live
1988年 Mother Wit
2012年 Live at Billboard Live Tokyo

My First Time Around
Betty Wright
Imports
2014-04-22

マイ・ファースト・タイム・アラウンド
ベティ・ライト
ワーナーミュージック・ジャパン
2012-10-03