51Kts6alzrLビル・ウィザーズ、最初の3枚はSussexからリリースサれてましたが、本作よりColumbia にレーベル変更し、1年振り・4作目のリリース、R&B7位・POP81位を記録。現在79才、今だ現役、来日しないかなぁと思いつつ、名盤に深ける夜。Ray Parker, Jr. を始め、錚々たるミュージシャンが参加。ジャケのニンマリも嬉しくなる。CDもリイシュー継続での名盤。

1. I Wish You Well
2ndシングル、R&B54位を記録。けだるいヴォーカル、低域に薄く広がるコーラスはゴスペルぽさが。サビの連呼、声の存在感、結構インパクトをもたらすオープニング


2. The Best You Can
ニューミュージック、当時のソウルの変化がほのぼの臭う、美しさやら変遷を。彼のヴォーカルの直線が音に栄養、女性コーラスも幸せを運んでくれるよう
3. Make Love To Your Mind
1stシングル、R&B10位・POP76位を記録。ブラックシネマのようにホーン多めに、ちょいシンセ入ったり、洗練された真髄がたまらない魅力。女性コーラス、ワウワウなギターとの掛け合いだったり、聞けば聞くほどハマるセンス


4. I Love You Damn
1stシングルB面。中毒性のある掴みが難しいような、なんとも切ないシリアスなサウンド。前を行くのに、運びが弱いように展開も地味というか。こじんまり2分半、異色
5. She's Lonely
2ndシングルB面。連呼しつつ、なんだか秋めいた冷たさは印象的。アルバムの流れが秀逸、part.2みたいに延々じりじり、強調する毒々しい表現、世界
6. Sometimes A Song
音はだいぶ変わって、ソウルファンク、結構ゴリゴリ男気たっぷりに、1970年代前半のクールさが減って、より怒涛の時代に迷い込むようで聴き応え
7. Paint Your Pretty Picture
しっぽり刻まれつつ、なんかホッコリする温かいサウンド、声も優しさに包まれて、前曲と異なる調和が取れたバラード
8. Family Table
3rdシングルB面。ディスコなんかには感化されてないと思うけど、ノリ良いご機嫌ダンス寄り。ストリングスで美しさは極み、溢れる音に、とにかく癒やし度が半端なし
9. Don't You Want To Stay
演歌みたいな沈み、歪みがあるんだけど、音をたどると、かなり先駆的な要素が多いなぁと。ただアルバムに遜色ない色味で勝負されてるなぁと
10. Hello Like Before
3rdシングル。どこか、昼下がりの心地よさを演出するというか、なんかアルバムの濃淡を忘れさせてくれるようなアッケラカンと放たれるポップに平和なアコースティック


10曲・43分、今までのビルと傾向は異なれ、今で言うネオソウルに影響を起こしてそうな、とにかく10曲でここまで濃密に人間味を示したのは凄いなぁと。気持ち良いサウンド、そしてビルのヴォーカルよりも、時代が変わって色んな音をまぜこぜに提唱してきた感があります。笑顔の裏に、相当秘められたクリエイティヴを突破してきたなぁと。

<過去レビュー>
1971年 Live At Carnegie Hall
1974年 Justments

Making Music
Bill Withers
Reel Music
2010-12-07