9771曲だけ1980年のライヴ音源がディスク3に収録されましたが、アレサのアリスタ移籍後 逝去されるまでの38年の中での選りすぐりを纏めたディスク。ディスク1-3の3枚が、1957〜1980年の24年くらいの歴史とすると、このディスクは本当駆け足でダイジェストに聴けるんだけど…かと言って、これまでのアリスタベストみたいにしてしまったら、あんま代り映えないのでレーベルなどを超えて収録をする工夫をしてくれています。ただ、個人的には1990年代中盤から彼女を知ってリアルタイムに聴いてきたエラってのがあり、この曲じゃなくてこっちを入れろよー!みたいなのが多かったです。YouTubeなどでも聴けるものを踏まえると、アウトテイク・未発表音源というのは無し。初音源化というのは何曲かありますので、いろいろ此処は突っ込みながら、解説していきたいと思います。

<Disc 4>
1. Think (1980 from OST the Blues Brothers)
1980年―1970年代後半から映画出演を志願していた彼女にとっては美しい役ではないけど、ソウルの大物が次々登場する音楽映画ブルース・ブラザーズへキャメオ出演。今やアレサの出演シーンと共に非常に有名。これまでアレサのコンピやベストには一切収録されていないはず、よって敢えて1曲目に持ってきました、再録ヴァージョンも映像全てパンチです


2. I Say a Little Prayer (with Dionne Warwick)
1981年―次は音源初収録、当時ディオンヌ・ワーウィックが徹子の部屋みたいなのをやってて、歌を繰り広げるパートも結構あったんですよね。ここでは1968年ディオンヌが原曲ヒット後、5ヶ月というスパンでアレサがヒットさせるという凄い時代(しかもB面)。旧知の仲、なんか良いバランス取れてますね。


3. United Together
1980年−Clive Davis とタッグを組み アリスタ移籍第1弾アルバムAretha からのシングルカット、表記はないけどSingle Version としてエディットされています、安定の温かなラヴバラード
4. Jump to It
1982年―Luther Vandross pro. 3rdアルバム表題曲、5年振りのR&B1位・POP40位返り咲きも1976年"Something He Can Feel" 以来6年ぶり。大ヒットしたダンクラ、Single Version での収録。前後 1981年2nd Love All The Hurt Away, 4th Get It Right からの収録はゼロに
5. The Wind
1983年―Get It Right アウトテイクとして既出、2007年コンピ David Nathan & soulmusic.com presents "Dedicated to Soul" 収録。しっとりしたジャジーなスロウバラードなんだけど、確かにアルバムに収録されてたらだいぶ息抜きだったかも。これ収録するならベストに近いシングル入れてきても良かったかなぁと個人的な感想
6. Freeway of Love
1985年―5th Who's Zoomin' Who 先行シングル、ポップすぎますがヒットを狙ったアリスタ期ならではNarada Michael Walden の手腕光る。1973年"Until You Come Back To Me" 以来の同成績POP3位・20曲目のR&B1位。Single Version での収録。
7. Sisters Are Doin' It for Themselves (with Eurythmics)
1985年―元はユーリズミックス客演で参加した曲、でもウーマンズパワーの代表曲となり、今も名曲。アレサのベストに収録見送られることも多いんだけど、UKではPOP10入り。いくつかEditヴァージョンあるけど、4分半ほど
8. I Knew You Were Waiting (For Me) (with George Michael)
1986年―当時ワム解散後ソロとして急上昇していたジョージ・マイケルと、1987年の6th Aretha からの実質2曲目の先行シングルとして、アレサ実に20年ぶりのPOP1位獲得の偉業達成。R&B5位止まり、賛否分かれたのでしょう。


9. Oh Happy Day (with Mavis Staples - Live at New Bethel Baptist Church, Detroit, MI – July 1987)
1987年―1957年Never Grow Old, 1972年Amazing Grace と15年のスパンで発表された、今後は完全セルフプロデュースとなった混じりけないゴスペルライヴ実況盤 7th One Lord, One Faith, One Baptism からのリカットシングル、メイヴィス・ステイプルスとの共演。兄弟姉妹も不参加(多くは病床)、父も逝去という中、アレサの踏ん張りが素晴らしい


10. A Rose Is Still a Rose
1998年―ここが急なんですが、1989年の8th Through The Storm, 1991年の9th What You See Is What You Sweat, 1994年新録含むベスト Greatest Hits 1980-1994 いずれからも収録が見送られ、10th Lauryn Hill pro. 表題曲から、アレサのキャリア最後のR&B5位入り・POPも26位と、これまた最後のPOP40位入り。自分はこの辺りからがリアルタイムに聴きました。2021年9月9日に延期続きのローリン・ヒルのMiss Education of Lauryn Hill 20周年ライヴまだセットされたままなんだけど、どうせ延期か中止なんだろうなぁと思ったり


11. Someday We'll All Be Free
1992年―年代がイレコになりますが、いまだアレサのベストやコンピに未収録だった映画Malcom X主題歌が選曲!これは泣けます。最初のアカペラクワイア、そして心を治療してくれるような鎮まる出だしと後半の爆発…ベストあって8分超のオリジナルが収録されるのか?と思ったけど、更にレアなPromo Single Ver. が収録されるなんて奇跡は起きませんでしたw


12. The Makings of You
1994年―Curtis Mayfield が1990年ライヴリハ中に機材が倒れ不慮の事故で半身不随となってしまい、カーティス自身も1曲病床ベッドから参加した曲が泣けたんだけど、これはアレサの計らいもあったんだろうね、All Men Are Brothers A Tribute to Curtis Mayfield のみ収録曲でした。優しく鼓舞してくれるような歌唱、でも他の収録と差し替えられても文句はなかったように思います、個人的意見。あとは"Jumpin' Jack Flash" "Through The Storm" "I Dreamed A Dream" "A Deeper Love" この辺りからの選曲であってもキャリアがより色濃く出たかなぁと

13. Nessun Dorma (Live)
1998年―アレサの凄みを体現したオペラ、パヴァロッティが急遽15分前にグラミー賞で歌えなくなったって、どんな管理してんねん!ってのが正直なんですが、それをアレサは2日前にプレグラミーパーティなんかでさくっと歌われてたようで、急にキーも男性キーで歌ってなって、どんなショービジネスだよ、って思ってしまうのですが、それをやってのけてしまった彼女は伝説です。今見ても鳥肌です。ただ、これはグラミーでの成功後にスタジオ録音されたもので、シングル”Here We Go Again" C/W だったり、2007年企画共演ベストJewls In The Clown に収録されていました。個人的にはグラミー賞のあの緊張感と壮大に上限ない感じの正にThe First Take を音源化としていただきたかったなぁと、期待したんだけどなぁ。補足として、アレサの生前最後の素晴らしい歌唱としては、本盤収録18曲目のナチュラル・ウーマンが挙げられるんだけど、同年2015年9月にローマ法王来米の際に歌われたシーン、素晴らしいんですよね。まだまだ声出てるし、音質も映像もクリアで迫るものを感じてます、全然話題薄いから敢えて言っておきたいと


14. At Last (with Lou Rawls) (Live from Rhythm, Love And Soul, March 2003)
2003年―なぜ、これを…これだけで尺6分超取ってます。この近辺にグラミー取った2003年”Wonderful" , 2005年 "A House Is Not A Home", 2007年"Never Gonna Break My Faith" なんかでも良かったような。ルーとは仲良し、往年のソウル歌手が出たライヴ会場より。2004年Rhythm, Love & Soul 収録、ライヴCDもDVDも出ています。この曲はアレサ大好きだったのはわかるけど(2014年の最後のオリジナルアルバムでも1曲目で再録)

15. You've Got a Friend (with Ronald Isley)
2010年―これも個人的には突っ込み、旧知の仲Ron Isley 名義で発表されたソロ作Mr. I にデュエット参加した曲。且つて1972年Amazing Grace でもゴスペル2曲メドレーで歌われてたし、1995年 Carole King 名盤を収録順にカヴァーするTapestry Revisited でも同曲をカヴァー(BeBe & CeCe Winans ft. Aretha Franklin 名義)してました。再訪するには面白い収録曲だけど、であれば2011年アルバムに収録されR&B100曲目のランクインとなった"How Long I 've Been Waiting" あたりを入れてあげれば愛情だったと思うんですけどね

16. Rolling in the Deep (The Aretha Version)
2014年―Adele カヴァー、シングルもR&B47位を記録。Dance1位も。アルバムAretha Franklin Sings Great Diva Songs は1985年以来の好成績でアレサもご機嫌でしたね


17. My Country 'Tis of Thee
2009年―米国黒人初のオバマ大統領就任式典で披露されたスタジオヴァージョン。これは特に歴史的な曲。2011年A Woman Fallin' Out of Love ボートラ収録されたけど、あまり話題にならなかったんですよね。シングルカットされたけど、ヒットシングルとかではないしね。とにかく歴史の濃いところ


18. (You Make Me Feel Like) A Natural Woman (Live - Originally Broadcast On The 38th Annual Kennedy Center Honors, December 19. 2015)
2015年―Kennedy Center Honors にてCarole King の受賞をお祝いしてサプライズ参加した模様、初のライヴ音源化!これは恐らく今まで1億ビューくらいはいってるんじゃないかな、鼬ごっこで結構YouTube消されたりって多かったけど。黒人差別の大きかった時代、キャロルは臆することもなくアレサに48年前同曲を提供、今なお女性応援歌になっています。この時の即興具合含めて、広域伸び・更にピアノから全身で示すパフォーマンス全てが感動。これは100%感動で納得のフィナーレ


18曲・79分ほど。未だCDは手元に届いていないのと、ロンとの曲だけデジタルでは聴けない状態なので万全ではないけど、既に1週間くらいずっと聞いてますので、あと4日で 遅れている輸入盤よりも早く 国内盤はリリース予定となっており、これから購入を検討される方にも参考になればと。アレサ38−76歳までのキャリアをこのディスクに詰め込んでますが、いかに彼女が一環としてショービジネスで戦ってきたか、その歴史が素晴らしく詰まっています。

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