


さて、本作は4CD・81曲からのダイジェスト盤として、1957年から2015年までの58年を1枚に20曲、これまでで最も長いキャリア分を収めた作品です。国内盤がデジパックになるかは不明ですが、先ずは久々にアレサの作品を手にしました。選曲はほぼ時系列。曲の解説というよりは聴いてみての流れの感想を中心にレビューします。
1. Never Grow Old
1957年―録音は1956年。アレサの14歳の頃の音源から始まるベストは改めて新鮮。この時のアルバムがボートラで入る良くわからないコンピとかは乱発してましたが(著作権切れのバナナのたたき売り状態)、ドラマGenius Aretha を観たってのもあってかなり嬉しく響きます
2. Today I Sing The Blues
1960年―次いでコロンビアでの初シングル、R&B10位を記録。4年でここまで声の圧が成長するんだなぁと実感、歌姫の成長記録そのもの
3. One Step Ahead
1965年―R&B18位・POP119位記録。コロンビア期の中ではヒットしたというよりも、後にサンプリングとかで多様されて人気になった曲という位置づけ、敢えてこれに選曲絞ったのは絶対勝手な好みでしょうね
4. I Never Loved A Man (The Way I Love You)
1967年―アレサのブレイクとなった曲、R&B1位(7週)・POP9位を記録。
5. A Change Is Gonna Come
1967年―人権運動真っ只中のキング牧師にも賛同、2007年にはマンデラ大統領を称賛するライヴでも歌われてました。Sam Cooke カヴァー、ゴスペルとのブレンド風がたまらない
6. Respect
1967年―アルバムリリース後、シングルカットされR&B1位(8週)・POP1位(2週)記録。改めて凄いパンチの曲、これは別格
7. Chain Of Fools (Alternate Version)
1968年―アルバムLady Soul より、R&B1位(4週)・POP2位(2週)記録。出だしのアドリブ付きヴァージョン、1998年くらいのCDリイシューからボートラ収録されてました。でも、今回CD買って知ったこと!1973年The Best of Aretha Franklin にはこのヴァージョンが早くも収録されてたみたいですね、CD持ってるのに完全に情報マッチできてなかった…
8. Call Me (Alternate Version)
1970年―This Girl's in Love with You収録、R&B1位(2週)・POP13位記録。既に、この時点で8曲目のR&B1位だけど、R&B1位曲既に4曲収録見送り、改めて1位だけのコンピあってもいいのになぁと思ったり、ヴァージョン違いでの初収録贅沢
9. Rock Steady (Alternate Mix / Take)
1971年―アレサ自作、R&B2位(2週)・POP9位記録。これもヴァージョン違いで
10. How I Got Over (Live) (Single Edit)
1972年―Amazing Grace より、"Wholy Holy" B面収録エディット、ベストに入るのも今まででは意外な感じ、躍動
11. Master Of Eyes (The Deepness Of Your Eyes)
1973年―R&B8位・POP33位、当時微妙にシングルだけで終わった曲。後にHey Now Hey ボートら収録されたけど、何か当時の闇っぽい部分を本盤に表現したかったのだろうか
12. Until You Come Back To Me (Work Tape)
1973年―R&B1位(1週)・POP3位を記録。Stevie Wonder 作、ダイジェスト盤ではレコーディング風景が見えるのはこの1曲、敢えての探りながらの歌唱とか初々しい
13. Something He Can Feel
1976年―R&B1位(4週)・POP28位を記録。表記はないけど、エディットでの収録
14. You Light Up My Life
1978年―アレサpro.、ゆえに当時Curtis Mayfield pro. Almighty Fire 未収録。未CD化5枚からダイジェスト盤への収録は無し。流れ的には神妙な感じで、いったん落ち着きます
15. Think
1980年―ここからアリスタ期ですが、その収録ではなく、映画Blues Brothers から、アレサと言えば、ってくらいインパクトや日本のCMなんかでも使われまくってますね
16. Freeway Of Love
1985年―一気に飛んでアリスタ5枚目のアルバムから、ラストではありますが20曲目のR&B1位(5週)・POP3位を記録
17. I Knew You Were Waiting (For Me) – Aretha Franklin & George Michael
1987年―R&B5位・アレサ20年ぶり2曲目のPOP1位(2週)記録、アレサのキャリアにおいても重要な曲、この収録はキャリアにおいては収録必須
18. A Rose Is Still A Rose
1998年―R&B5位・POP26位記録。年代順でいけば19曲目の逆なんだけど…現時点でRhino ページには曲順間違えて書いてあるまま。これ、当時だけしかライヴで歌わなかったですね、ここから自分がファンになったってのは、アレサの歴史の長さを実感
19. Someday We'll All Be Free
1992年―映画 Malcom X 主題歌、ベスト収録とか一切なかったんで本ダイジェスト盤においても目玉となる選曲、微かに4CDと異なるPromo Single Edit での収録を期待しましたが、8分超に亘るオリジナルヴァージョンでの収録
20. (You Make Me Feel Like) A Natural Woman (Live)
2015年12月―1967年の名曲を48年の歳月を経て、作者Carole King の前で歌い上げる、もうこの音源化はとにかく素晴らしい、感謝。音質が若干ですが許容
20曲・78分弱、駆け足だけど映画を見てるような気持になるアレサの生涯記録、見事に1枚にまとめてくれました。純水にシングル曲を収録したのは12曲。他はヴァージョン違いとか、未発表曲まで、あとは普段ベストやコンピに収録されない曲まで、今までにない1枚ものです。どうしても自分だったらこう、ってのがあるんですが、出だし14歳から、フィナーレ73歳まで、とにかく素晴らしいソウルレジェンド、音楽ファン必携な感じです。最後の拍手喝采、涙です。