118392119937アレサ・フランクリンの伝記映画、リスペクト。アレサ自身による構想や、色々主演を選んだりして、本格的にジェニファー・ハドソンになるのはアレサが亡くなる少し前でした。それまでは何年もハル・ベリー押しだったけど、改めて口パクというより、実際にジェニファーが歌った本映画は最高な仕上がりだったと思います。

そろそろ上映する映画館も少なくなってきて、公開翌日〜本日まで実に4回観るに至りました。まだ国内では映画のBlu-ray のリリースもまだのようだけど、そろそろネタバレ若干触れても大丈夫かなぁと思い、久々にブログ書く冬休み。

サントラを聴くに、1952年〜チェス期ゴスペル傾倒のアレサを僅かに、コロンビア期もわずかに、そしてアトランティック1967〜1972年に集約した作品。要は10歳から30歳までのストーリーを140分にまとめあげてます。

子役がとにかく演技も歌も凄いんです。なにせTina Turner 伝記映画の舞台版も務めたとか。個人的にはアレサが存命していたら、結構えぐいシーンは選ばれなかった気がしてます。一部時系列は強引な気もしますが何とか圧縮、教会での歌唱でジェニファーに切り替わっていくシーンで最初の超鳥肌。

その後は、結構男女の馴れ初めが多く、改めてアレサは恋多き女性で、その都度お子さんも生まれてるし。ドラマ版と比べると、コンロビア〜アトランティックでの大ブレイクまでの流れは結構唐突に描かれれていますが、何とかリスペクト誕生の流れは前段のシーン含め、うまく時間を使っている印象。

ブレイク後のヒット曲の連発はさすが、見ごたえも凄いです。傍ら、キング牧師暗殺後の葬儀での歌唱や、アルコール依存症でのステージでの歌唱やら、色々当時ならではのリアリティも、やはりアレサが生きてたら認めてなさそう。。

ラストがアレサ自身キャリア最大のヒットとなったアルバムAmazing Grace より、当時の闘病・葛藤などは、結構ショートカットだけど、彼女を支えてた母への想い、教会の支え、歌が救い…。ラストシーンでのエンド、彼女のキャリアを総括する内容が色々表示され、これがまた偉大な彼女ではあるが一方 苦悩があって積みあげられてきたものなんだなぁとしみじみ。黒人女性にとって1960年代には相当地位が低かったわけで、公民権運動・女性活躍を前面にアメリカの支持を得ていった流れ、改めて凄い女性だったなぁと。シンガーでもあり、活動家。とにかく本人登場シーンは毎度号泣(敢えて音程修正しないヴァージョン採用ってのが粗削りで最高)、ジェニファーの新曲がホッと胸をなでおろしてくれて終わるけど、これがCarole King との共作ってのがジーンとくる。

ドラマ版の1/3くらいの圧縮なので、色々映画にするには制約はあったと思いますが、ベストな采配、ベストな出来だったと思います。最初の頃は結構客席も埋まってないようにも思ったのは上映会数がそれなりにあったからかなぁ。公開から日に経つにつれ上映回数は減っているけど、貴重にも多くの席が埋まってて、アレサのことが改めて語り継がれていく様にジーンときてました。また5回目観に行っちゃうのかも。ジェニファーはほんと大役を務めてます。ソウルファンだけでなく、音楽ファン、ミュージカル好きな方、また偉人好きな方(笑)、まだ間に合います。ぜひ観ていただきたいです。

公式サイト(日本)
Wikipedia(日本)

<過去レビュー>
V.A. (Jennifer Hudson) / Respect (OST) (2021)



『リスペクト』オリジナル・サウンドトラック
オリジナル・サウンドトラック
SMJ
2021-11-03