前作から1年で発表された2ndアルバム。前作よりもヒットせず、彼らはこのアルバムをもって余儀なく解散となってしまった。しかし、前作以上にバラエティ豊かな曲を取り揃えており、ルーサーがリスペクトされているこのご時世、見逃せない1枚なのは言うまでもない。

1曲目「This Is For Real」は、バラード。ディスコ時代に、この曲は空回りしてしまったのかもしれないが、質素なアレンジが曲の良さを際立たせている。5年後に、ルーサーがAretha Franklin の復活作となった『Jump To It』を総合プロデュースした際、この曲をアレサに歌わせているので、是非そのへんも聴き比べて欲しいところ。2曲目「A Lover's Change」は3分弱のポップスで、聴きやすい仕上がりに。3曲目「Don't Take The Time」は、1曲目同様にバラード。カットギターの使い方などは、80年代に確立したルーサー節に近いものを感じる。4曲目「Jealousy Is In Me」は、ストリングスとコーラスが不協和音となってしまっている印象もあるが、聴き応えのあるディスコに仕上がっているとも言える。5曲目「I'm Not Satisfied」は、ノスタルジックなバラード。以上がA面だが、どれも1972-1975年の版権の歌となっている。

そして6曲目からがB面。こちらはどれも、1977年の版権。アルバムタイトルにもなっている、唯一チャートアクションのあった「This Close To You」でスタート(R&B93位)。アルバムの中でも気合いの入っている曲には間違いないが、ちょっとダークな雰囲気もあり、今聴いてもヒット性は感じにくい。7曲目「Don't Wanna Be A Fool」は、局名の似た1991年発表の「Don't Want To Be A Fool」とは異なる曲。これはバラードではなく、軽快な曲で、楽しめる作品だ。8曲目「Come Back To Love」は、ちょっと意外な感じだがルーサーは歌っていない。グループメンバーAnthony HintonG. Diane Sumler によるデュエットで、甘ったるいバラード。当時、ルーサーを前に出すことにが前提にしていないところから考えると、かなり試行錯誤していたのだろう。ラスト9曲目「Follow My Heart」は、ストリングスが美しくサビを盛り上げ、ルーサーのヴォーカルの音域も堪能でき、これは満足できる1曲。

今回ゴールデンウィークは暇だったので、ルーサー時代の2枚のLPをCDに焼いてみたんですが(久々に活躍の、ONKYO CD録音機)、2枚のLPが79分で収まりました。ということで、いつか、2 in 1 CDで発売されたら、ほんと悶絶です(笑)。そんな妄想に駆られながら、当分はこのオリジナルCDを楽しみたいと思います。

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