幾度のライヴアルバム、ベストアルバム、企画アルバムなど…なかなか純粋なオリジナルアルバムが登場せず、過去の人になりつつあったキース・スウェット。本作はソウルの老舗、Atco よりリリース。既に、全米10位・R&B1位を獲得したんです!!このベテランのアルバム、全編を通してかなり上質なアルバムに仕上がっています。

1曲目「Somebody」はChris "F.L.O." Connerをフィーチャー。甘茶ばりばりの、とろけるナンバーで、新境地を開拓している。2曲目「The Floor」も王道R&B。若手が歌ってもおかしくないトラックを、K-Ci&Jojoがやりがちのキリキリヴォイスチェンジを施してて、面白い感じっす。3曲目「Girl On My Dream」は、1・2曲目のヴォーカルに違和感を感じた人でも、ここはしっかり彼の技巧を感じ取ることができるはず。4曲目「Sexiest Girl」は、全体を包み込むオルガンの音にサウンドトラック的な味わいを強く感じるストーリー的展開。5曲目「Butterscotch」はキース自身が手がけた Kut Kloseの元メンバーAthena Cageをフィーチャーし、正統派R&Bを男女共演。かなりクール、この辺りは90年代R&Bファンが胸キュンしちゃうじゃないでしょうか。6曲目「Me And My Girl」はどう考えても、20代アイドルが歌いそうなリズムを歌いこなしちゃうところがサスガ。7曲目「Suga Suga Suga」は、R&B36位を記録した1stシングル。Brandy と勘違いしてしまいそうなくらいにハスキーなヴォーカルを聴かせるPaisley Bettis をフィーチャー、オルゴールっぽいメロディーラインが印象的かな。8曲目「Never Had A Hammer」、Keysha Coleをフィーチャーした9曲目「Love You Better」はいずれも大人な酔いどれある曲で、特に後者は旬のアーティストの抜擢というのもあり、今後話題になるに違いない。10曲目「Just Wanna Sex You」はピアノがキレイに流れる展開で、これも正統派のR&B。11曲目「What's A Man To Do」も、重厚なギターとコーラス、そして何よりキースの熱いヴォーカルが素敵だ。ラスト12曲目「Teach Me」は実験的なナンバーながら、アルバムの重要な箇所で聴かれたヴォーカルの“いじり”が面白い。

いずれにしても、ミディアムスローなナンバーで現役キースを勝負してきたところが何よりうれしい。それに、音作りがしっかりしているせいか、インディーなんかじゃ終わらないぞ!という彼の意気込みも十分伝わってくる、進行形オジサンの高品質アルバムでした。

Just Me