What's Going On』の約1年半前にリリースされた『That's The Way Love Is (邦題、恋とはこんなもの)』。あまりにも、この後の勢いが凄かっただけに、本作はだいぶ影に隠れてしまっている。アルバム自体も、R&B16位・さらにチャートインした作品の中では最も低ランクなPOP189位を記録。おそらく、『What's Going On』に向けて余力を溜めていたとしか考えられないのだが…。ヴォーカルも、今までの荒っぽさはだいぶなくなり、メロディに忠実に、キレイに歌うようになっている。おそらく、60年代後期はタミー・テレルとのデュエットなどを数々録音していたこともあり、だいぶ正統派に、そしてだいぶシルキーソウル的に変化したようだ。

インパクトのある曲はすくないものの、本作は味わい深い曲が多い。例えば、先行シングルとしてリリースされていたタイトル曲でもある5曲目「That's The Way Love Is」は70年代の彼を決定づけるかのようなストーリー感覚ある曲。5週連続R&B2位と、大ヒットを記録した。また、両A面シングルとしてカットされたJimmy Ruffin のカヴァー1曲目「Gonna Give Her All The Love I've Got」はR&B26位を記録、非常にスムースな曲でマーヴィンが表現したかった世界観がほぼ目の前に出来ているのが分かる。The Temptations のカヴァー6曲目「How Can I Forget」は18位を記録、2分程度の曲だがマーヴィンのヴォーカルが歯切れよく進むナンバー。テンプスの曲は「I Wish It Would Rain (邦題、雨に願いを)」「Cloud Nine」も、非常にクールにカヴァーしている。

また、The Beatles でお馴染み2曲目「Yesterday」、The Rascalsのカヴァー3曲目「Groovin'」などは、自分の解釈でアレンジしているのが趣深い。さらに、時代背景を意識して歌で伝えるようになったのも、まさにこの頃から。リンカーン、キング牧師、ケネディに捧げた7曲目「Abraham, Martin and John」も重要なトラックだ。イギリスではシングルカットされ、TOP10入りを果たした。彼の全盛期が始まる前の作品も、結構お薦めです。

※現在は廃盤になりがち…モノによっては“2 in 1”でお得に楽しめます!

ma ムーズ・オブ・マーヴィン~恋とはこんなもの


M.P.G./That's the Way Love Is