個人的に、数年前まではAretha Franklinに次いで大好きな歌手でした。今は、いろんな歌手が登場しまくってるので、ちょっと順位が変動しがちですが、それでもカーティスは僕にとって重要な歌手。ファルセットで甘い歌を伝えると思いきや、けっこうメッセージ色の強い詩が強烈で、そのギャップに“音楽の力”を感じてしまったのです。

このアルバムは、DVDでも出ています。僕は、もう10年以上前にこのビデオは入手してたんですが、先日ようやくCDをゲット。11曲目には「Curtis Mayfield Interviewd by Paul Weller」なんてのも収録されてましたが(近年の再発CDにはほとんど収録されているようです)、やはり本編10曲が重要ではないでしょうか(いちお、前述のインタビュー内容はブックレットにスクリプトされていました)。

全盛期1970年代とリンクする音や詩世界ではなかったりする部分があるので、インパクトは減ってしまうのだが、やっぱりカーティスのヴォーカリストとしての魅力は独特だ。大人しく世の中をバッサリ切り捨てるソウルは、やはり只者ではない。「Little Child Running Wild」「People Get Ready」「Pusherman」「Freddie's Dead」など、緩やかながら激しさを含みつつ淡々とライヴは進行する。「We've Gotta Have Peace」「Move On Up」ではハイテンションなビートではあるのだが、カーティスはいたって普通。特筆すべくはラスト「To Be Invinsible」…卑下しないでほしい孤独な歌に、きらめくピアノが切なくもある。

絶対に言えるのは、メッセージは過去のものながら、古臭さが薄いというこよ。決して時代の音を求めているわけではないと思うんだけど、彼の音楽にはまるで普遍性が潜んでいるよう。だからこそ、彼はリスペクトされる存在なんだろうなぁって改めて感じました。

不慮の事故で半身不随になる直前の1987〜1990年には公式ライヴ盤(DVD含む)が3枚出てたりして、少し前までは元気だったカーティスに、なんだかジーンときます。でも、やっぱり全盛期のライヴは1971年の『Curtis/Live!』かな。いつか、取り上げようっと!!

Live at Ronnie Scott's


ライヴ・アット・ロニー・スコッツ