アーティスト名義とアルバムタイトルは同一。ロバータ・フラックとダニー・ハザウェイは共にレコーディングしていたのだが、その最中である1979年1月13日にDonny Hathaway は自殺。そんな衝撃的な事件の後に、発売となったのが今作。前作に続き2人のアルバムが進行していたが…。

1曲目「Only Heaven Can Wait (For Love)」は王道ロバータバラード。細い声質ながら、安定感が強くも癖のあるヴォーカルが虜になるが所以。少々地味な始まりかもしれないが、ヴォーカリストロバータを伝えるのにはうってつけだろう。2曲目「God Don't Like Ugly」はLuther Vandross がコーラス参加。ただし、曲のほとんどはロバータ主導で進行し、その他アーティストの出所は見つけにくい。3曲目「You Are My Heaven」はR&B8位を記録・Stevie Wonder & Eric Mercury 作、プロデュースはArif Mardin という最強歌!スティーヴィー節全開で、ダニーもそれを受けたかのようなヴォーカルを披露。楽しげに歌う二人のソウルに、Eleanore Mills の高ぶるヴォーカルも加わり絶品スパイスに!!4曲目「Disguises」は2分半ほどのアコースティックソウル、寂しい詩世界に涙です。5曲目「Don't Make Wait Too Long」はシングルカットされR&B67位、またもスティーヴィー作でソウルで押し通しても当時のロバータには怖いものはなかったかもしれないが、時代を意識したちょっぴりダンス調。8分に及ぶフロアを意識したナンバーだが、スムースなバンド形式・繊細なコーラスであくまで自分スタイルを訴求。続く6曲目「Back Together Again」はR&B18位ながら有名な二人の共演曲。アルバム曲ながら10分に及ぶ。これは自然に体が動く名曲。掛け合い、バランス、どこを取っても最高!!ルーサーも参加してますよ〜♪ラスト7曲目「Stay With Me」はMichael Masser & Gerry Goffin による曲で、淡々と歌う彼女のヴォーカルだったり、アリフの飾らないアレンジが胸に響く。

実は、アルバムタイトルに反して、ダニーがフィーチャーヴォーカルとして参加しているのは3曲目と6曲目のみ。そんな曰くつきの作品だが、やはり当時インパクトのあった作品であったには違いない。ジャケットのイラストも微笑ましいというか、悲しく映る(ダニーが消えていくような描かれ方が、切ない)。

ダニーに捧ぐ


Roberta Flack Featuring Donnie Hathaway