テンプスの80年代…60・70年代のヒット量産のイメージが強かったんですが、この80年代も、かなり凄かったらしい。でも、それが今なかなか伝わらない理由が、CD化が微妙という理由でしょうか。僕自身、このジャケ自体見たこと無かったです。

タワーレコード/ディスク・ユニオン/HMVジャパン3社共同企画”とかで発売された【SOUL MASTERPIECE ソウル名盤シリーズ! VOL.1 80'sブラコン編

―――ソウルを熱くしてくれる企画は嬉しい限り。Ali Ollie Woodson が新加入した本作は、2曲目の「Treat Her Like A Lady」という大ヒット作品を収録している。POPチャートは48位ながら、R&Bは2位。優秀です。もう、コーラスとリードヴォーカルと、シンセの弾ける具合が見事ったらありゃしません。

1曲目「Running」も同じ感じで、コーラスの音圧が凄い。ファンキーだし、もう既に80年代後半の音を表現しているくらいに、クールな仕上がりだ。3曲目「How Can You Say That It's Over」は、Smokey Robinson のような大人しいヴォーカル・AOR路線にも通ずる音展開に、にんまり。4曲目「My Love Is True (Truly For You)」は表題をサブタイトルに置いたナンバーで、2ndシングルとしてもカットされR&B14位を記録。最初1・2曲目の勢いよりを出さずに、スムースさ・きらめきなどが似合うバラード。これはこれで味がある。5曲目「Memories」は、過去のアルバム曲とは同名異曲らしい…。ポップなダンス感覚あるナンバーで、アリオリのヴォーカルがのびのびしていて気持ちいい。6曲目「Just To Keep You In My Life」はクワイエットストーム的暖かさに包まれている印象。7曲目「Set Your Love Right」は、アルバムに振りまいているアリオリファルセットを更に発揮。ベースラインなども、良いアクセントになった楽しいトラック。ラスト8曲目「I'll Keep My Light In My Window」は、Marvin Gaye & Diana Ross のカヴァー。今回のアルバムが発売された年に、マーヴィンが亡くなったこともあり、レクイエム的選曲となったのだろう。アルバムを締めくくるには微妙なミディアムな曲調だが、次作への余力をもったいぶっているという感じかもしれない。

1800円の国内盤とあってか、歌詞・対訳は無し。ちょっと残念なシリーズかもしれないですが、安価重視で考えれば、これで満足かもね。

トゥルーリー・フォー・ユー