2008年8月10日、アイザック・ヘイズが65歳の若さでお亡くなりになりました。僕は、70年代のソウルミュージックを考えたとき、Curtis Mayfield Isaac Hayes の影響力は余りにも大きいと考えてしまう。彼らは、ブラックムーヴィーという手法で、新たに黒人社会を、そして全体社会を一刀両断した生き様に、カッコよさと凄さを痛感してしまったのですから。また一人、偉大なソウルシンガーが逝ってしまったことに、悲しさを覚えています。そんな今夜、聴いていたいアルバムは、2003年に発掘されたワッツタックスでのライヴパッケージ。

これ、彼のアルバムの中でも、かなり貴重。Eddie Floyd、The Emotions、The Staple Singers、William Bell、Carla Thomas、Luther Ingram などなど層々たるStax Records の面々が参加し、11万2000人を動員したライヴからの音源だけど…今までに発売されてたコンプリート盤と呼ばれる3枚組CDにさえ、アイザックの音源は代表曲「Theme From Shaft」しか収録されていなかった。トリを務めた後のDVDなどでも、彼のパフォーマンスは見ることができない状態だったのに、ここにきてガツンと収録!いろいろ、背景があったんだろうけど、隠し玉すぎます。

ライヴで披露していたのは、実に9曲(うち収録されているのは8曲で、そのうち6曲が未発表)!!!!さすがのオーディエンスもアイザックも絶好調で、1曲目からこりゃハッピーに爆裂。2曲目「Soulsville」は前述の曲同様に、OST『Shaft』に収録されていた曲。ここでは70年代というよりも、60年代のソウルの芽を大事にしてくれているのが伝わる。3曲目「Never Can Say Goodbye」は、Jackson 5 の前年のヒット曲のカヴァー。後に、彼みたいに若干スローにして披露するシンガーが多発したのも、もとよりアイザックの影響大だろう。Barry White とまではいかないが、この低音でぐいぐい引っ張る力量は、個性他ならない。4曲目「Part Time Love」は、マスターテープ紛失とかでインストに…(このへんの発掘具合が、ソウル探究心をくすぐってくれます)。5曲目「Your Love Is So Doggone Good」はHerbie Hancock の実験的作品にも繋がるような作品。オーケストレーション的施行もあったり、腕を組んで聴き入ってしまうかのようだ。6曲目「Ain't No Sunshine / Lonley Avenue」は、なんと17分の大作。すでにCD上ではリリースされたこともあったが、やはりこの延々と続く独自の世界の展開には、度肝を抜かれる(さすがに、ちょっと退屈だけど)。7曲目「I Stand Accused」は、原点回帰のような作品。アイザックのライヴ構成において、ちょっとしたアクセントを加えるべく、押さえの1曲というとこか。そしてラスト8曲目「Finale : Rev. Jesse Jackson / Jimmy Jones : If I Had A Hammer」のド・ゴスペルで、6時間に及ぶライヴは終了。ほんとは「Rolling Down A Mountainside」という曲も披露されていたようだが、リップシンクなんぞやってのけていたそうで、こういったアルバムからも排除されてしまっているようです。

今作は、国内盤も発売中。さらに「Theme From Shaft」の映像をエクストラ仕様で収録している凝りよう。嬉しいCDです。改めて、今夜はアイザックに追悼の意を込めて、ソウルパワーに浸かっていたいと思います。

アット・ワッツタックス


Wattstax


ワッツタックス / スタックス・コンサート