
1. The Little Drummer Boy
じわじわ響かせる低域は、個人的にBeBe Winans にも近いドスコイ根性を感じるんだよね。じわじわと伝う、神妙にも、全体の音の盛り上がりは素晴らしい仕上がり。可愛らしい音も入ったり、結構クリスマスを面白くしてくれるような印象。ちょっとライオン・キング入ったり、オリエンタル風味なのも楽しめる要素
2. Christmas, Love, And You
タイトル曲、絶えず低域にてメランコリーな心地。馴染みよいバラード。ここまで個性に軸があるとシチュエーションによって選びたくなる曲群
3. The First Noel
ヴォーカルアレンジ利いてるんだけど、彼冥利で、最高にメロウ、静かなグルーヴィ。女性コーラスも加わって輪郭鮮明に、大人な熱さ
4. Christmas Time Is Here
壮大なんだけど、彼の落ち着きをメインとして、凄く美しい世界観にて留まってるのが味。コーラスも幻想的で、サックスもキレがあって上品で、全体で気持ちよくなれる。終盤"Jingle Bell" 入れたり、遊びも
5. White Christmas
比較的王道に、渋さ発揮。石原裕次郎ワイングラス片手に、って感じかな。セクシーで、アンニュイで、でもエロじゃなくて、なんか大人ジェントルさが凝縮されてる感じなんだよね
6. All I Want For Christmas Is You
ウィル書き下ろし、Mariah Carey とは同名異曲。これまでで最もハッピーなミディアム、パーティ感も。オルガンも、全体リズムも
7. Love On Christmas Morning
比較的、涼しげに、Luther Vandross ばりに爽やかに歌ってるのが印象的。若さもうまく出しつつ、低域はルーサーで五分に感じるほどの鳴らし
8. Have Yourself A Merry Little Christmas
バラードというより、リラックスした感じで心地最高。ジャズを強みとするだけあって、演奏の択び方も、声の使い方も上手いなぁと
9. Christmas Time After Time
終盤、大切な特別な時間を、じっくり歌う。声の鼓動もすばらしい、リリックの択び方まで秀逸で。サビのコーラスとの絶妙な重ね、ほんと極上スロウ
10. The Christmas Song
ラストは、低域に根ざしまくったスロウカヴァーで。上質なひと時、とにかく安定に駆け抜けて辿り着いたスタンダード
10曲・43分、彼はかなり勝負に出た作品と感じました。ここまで低域でアピールしまくるのはBarry White くらい?それもディープって部類じゃなく、正統派セクシーに、場を豊かに、R&Bもジャズも飲み込む美しさで奏でる。いやー、貴重な作品です。日本では認知低めのシンガーだけど、こういうのが評価されないと、ほんと音楽って、本望じゃない気がしてます。
<過去レビュー>
1997年 Invitation Only
2009年 Classique